120㎜自走迫撃砲と迫撃砲搭載装甲車=防衛事業庁提供(c)news1
120㎜自走迫撃砲と迫撃砲搭載装甲車=防衛事業庁提供(c)news1

【01月18日 KOREA WAVE】韓国の精密機械「SNTダイナミックス」が提案した小型戦術車両(LTV)搭載型120㎜迫撃砲システムが国防科学研究所傘下の国防迅速獲得技術研究院の迅速研究開発事業として推進される。迅速研究開発事業で軍の運用実績を獲得すれば、輸出にも有利になるだけに、今後輸出の道を開くことにも力が入るものと見られる。

同社は昨年12月、「小型戦術車両搭載型120㎜迫撃砲システム」の迅速研究開発会社に選ばれた。事業予算は228億ウォン(1ウォン=約0.1円)だ。

迅速研究開発事業は、新技術などを適用した試作品を2年以内に研究開発し、軍が試験運用し、その活用性を評価する。迅速に武器体系を戦力化できるよう民間企業が提案したボトムアップ事業という点が特徴だ。

これまで軍が新たに戦力化する兵器体系は国防科学研究所で技術を開発し、民間企業に量産を任せる形態が一般的だったが、企業の技術力が蓄積・向上し軍戦力化を先に提案する方式の事業が可能になった。

SNTダイナミックスは2025年までに軍の要求性能を満たす試作品を開発し、2026年から海兵隊で製品をテスト運用する予定だ。運用結果によって軍戦力化するかどうかを判断する。

SNTダイナミックスは、迅速研究開発事業の入札に先立ち、車両搭載型迫撃砲システムを開発してきた。従来の装甲車搭載120㎜迫撃砲の長所を生かしながらも、軌道型装甲車より優れたLTVの機動力を活用し、さまざまな戦闘環境で迫撃砲の生存性を高めるためだ。

また、従来の装甲車搭載型自走迫撃砲より少ない3人の乗務員で運用することができ、今後の兵力削減による軍構造改編にも対応できる。射程延長弾を使えば射程距離は最大13キロで、3分間毎分10発を発射できる。

SNTダイナミックスは以前からLTV搭載型迫撃砲を開発してきており、2022年「大韓民国防衛事業展」、2023年「ソウル国際航空宇宙や防衛産業展示会」(ADEX)でも主力製品として展示した。

LTVだけでなく、多目的戦術車両(MPV)、車輪型装甲車(WAV)など120㎜迫撃砲を多様なアプリケーションに搭載し、韓国国内に供給するだけでなく、北大西洋条約機構(NATO)諸国への輸出を推進する。

特に、今回の迅速研究開発事業は試作品開発から軍試験運用まで短期間で進められており、運用実績を早く積むことができ、輸出にもプラスに作用するものとみられる。

また、ハンファエアロスペースも「AIベースの有・無人複合韓国型工兵戦闘車両」の迅速研究開発事業に選ばれた。事業予算は338億ウォンだ。

韓国型工兵戦闘車両は陸軍戦闘部隊の通路開拓や機動路確保のために、爆発物探知ロボットや偵察ドローンなど特殊任務装備を搭載した。車体後方の戦闘区域はモジュール式になっており、他のモジュールに交換することができる。同様に2025年までに開発を完了した後、陸軍で試験運用する計画だ。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News