【1月14日 AFP】レアル・マドリード(Real Madrid)とFCバルセロナ(FC Barcelona)が対戦するサッカースペイン・スーパーカップ(Spanish Super Cup 2024)決勝を前に、試合を担当する審判団が13日、バルセロナの審判買収疑惑の話題と、その話が自分たちの生活や仕事に与える影響にうんざりしていると話した。

 この問題では、バルセロナが審判技術委員会の副会長を務めていたホセ・マリア・エンリケス・ネグレイラ(Jose Maria Enriquez Negreira)氏に金銭を支払っていたとして、クラブと複数の元会長が告発されている。

 しかしスーパーカップ決勝を前に、主審のフアン・ムヌエラ(Juan Martinez Munuera)氏とともに会見したビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)のセサル・ソト・グラード(Cesar Soto Grado)氏は、「その話題を出されると体中の血が煮えくり返ってくる。『ネグレイラ事件』の話にはうんざりだ」とコメント。「ある企業の1人の人間が腐っているからといって、全員がそうだとは限らない」と述べた。

 バルセロナは、審判報告書を作成していたとされるネグレイラ氏所有の会社に、2001〜18年に合計約730万ユーロ(約11億6000万円)を支払ったという。またこのところのスペインメディアの報道では、この件に関する捜査の一環で、何人かの審判が警察の聴取を受けたと伝えられている。

 それでもソト・グラード氏は、「(ネグレイラ氏は)地位を利用する性格で、審判史上で最大の痛手を与えた」と話しつつ、「誰もが腐敗しているわけではない。腐敗しているのはあの人物で、それも裁判官がそう判断した場合の話だ」と主張した。

 さらにソト・グラード氏は、レアルの公式テレビが放送している番組で、解説者や司会者が今季頻繁に審判を批判していることにも苦言を呈し、「そうしたやり方は結局誰のためにもならない。彼らは審判への憎しみを助長している」と続けた。

 ムヌエラ氏は、ネグレイラ氏の事件が自身の日常生活にも影響していることを明かし、「スーパーマーケットへ行くと、妻と息子と一緒だというのに、こちらを腐った人間と呼ぶ人たちがいる」と話している。

 スペイン・スーパーカップは14日にサウジアラビアの首都リヤドで行われ、昨年に続いてレアルとバルセロナが激突する。(c)AFP