【1月15日 Xinhua News】中国税関総署の王令浚(おう・れいしゅん)副署長は12日の記者会見で、中国の2023年の貿易額が前年比0・2%増の41兆7600億元(1元=約20円)となり、輸出は0・6%増の23兆7700億元、輸入は0・3%減の17兆9900億元だったと発表した。中国経済は23年も回復・上向き基調を維持し、質の高い発展が着実な進展を遂げ、モノの貿易が予想を上回り、貿易の安定促進と質の向上を実現した。王氏は23年の貿易に見られた主な特徴として次の6点を挙げた。

 ①貿易が全体的に安定し、第四半期(10~12月)は上向き基調が鮮明だった。23年の貿易額は四半期ごとに拡大し、第1四半期(1~3月)の9兆6900億元に続き、第2四半期(4~6月)、第3四半期(7~9月)、第4四半期はいずれも10兆元を上回った。10月以降、月間貿易額の前年同月比伸び率は月を追うごとに拡大し、10月は0・8%、11月は1・3%、12月は2・8%だった。12月の貿易額は3兆8100億元になり、単月として過去最多を記録した。

 ②企業や個人事業主などの経営主体は活力に満ち、民営企業は主勢力としての効果が強まった。貿易実績のある経営主体の数は初めて60万社を超えた。うち民営企業は55万6千社で、貿易額は6・3%増の22兆3600億元となり、貿易全体に占める割合は3・1ポイント上昇の53・5%だった。外商投資企業(外資系企業)による貿易額は12兆6100億元で全体の30・2%を占め、国有企業は6兆6800億元で16・0%を占めた。

 ③貿易相手先が多角化し、「一帯一路」共同建設国との貿易比率が拡大した。中国と「一帯一路」共同建設国の貿易額は2・8%増の19兆4700億元で、貿易全体に占める割合は1・2ポイント上昇の46・6%となった。中南米は6・8%増の3兆4400億元、アフリカは7・1%増の1兆9800億元だった。10~12月は欧州連合(EU)や米国との貿易が回復し、EUは5兆5100億元で全体の13・2%を占め、米国は4兆6700億元で11・2%を占めた。

 ④製品の競争優位性が強化され、輸出の原動力は充実し活発化した。機械電気製品の輸出額は2・9%増の13兆9200億元で輸出総額の58・6%を占め、労働集約型製品は4兆1100億元で17・3%を占めた。「新三様(新たな定番3品目)」と呼ばれる電気自動車(EV)、リチウムイオン電池、太陽電池の合計輸出額は29・9%増の1兆600億元で、初めて1兆元の大台を超えた。船舶は35・4%、家電は9・9%それぞれ増加した。輸出の原動力は中国製造(メイドインチャイナ)から中国創造(クリエイテッド・イン・チャイナ)への転換を示した。

 ⑤国内需要が引き続き回復し、大口商品や生活用品の輸入が着実に拡大した。エネルギー、金属鉱砂、食糧などの大口商品の輸入量は15・3%増加した。うち原油、天然ガス、石炭などのエネルギー製品は27・2%増の11億5800万トン、鉄やアルミニウムなどの金属鉱砂は7・6%増の14億5800万トンだった。農産物の輸入額は5・0%増の1兆6400億元だったほか、衣類・靴・帽子など消費財の輸入は5・6%、宝飾品は63・0%、時計は17・2%それぞれ増加した。

 ⑥ハイレベルの開放が着実に進展し、新プラットフォーム・新業態の発展が好調だった。全国の自由貿易試験区は22カ所に増え、合計貿易額は2・7%増の7兆6700億元になり、貿易総額の18・4%を占めた。海南自由貿易港の建設は十分に進み、年間貿易額は3年連続で2桁の伸びを維持した。中国の23年の越境電子商取引(EC)による貿易額は概算で15・6%増の2兆3800億元となった。(c)Xinhua News/AFPBB News