【1月12日 AFP】イスラエル軍は11日、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)中部デイルアルバラ(Deir al-Balah)での救急車攻撃について、同軍が実施したとの疑惑を否定した。この攻撃では、救急隊員4人を含む計6人が死亡した。

 イスラエル軍はAFPの取材に対し書面で「イスラエル国防軍に提供された詳細情報に基づき調査を実施した結果、当該地区で攻撃は行われなかったことが判明した」と回答した。

 パレスチナ赤新月社(PRCS)は10日、デイルアルバラの入り口で同社の救急車がイスラエル軍の攻撃を受け、6人が死亡したと発表していた。救急車はガザを南北に貫くサラアルディン通り(Salah al-Din Road)を走っていたという。

 AFPの写真には、屋根を完全に破壊され、車体の一部がつぶれた救急車が写っている。

 国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)のジャガン・チャパガイン(Jagan Chapagain)事務総長は「容認できない」攻撃であり、「殺害行為を強く非難する」とSNSに投稿。「患者と医療従事者の保護に議論の余地はない。決して標的にされてはならない」と述べた。

 11日には救急隊員の葬儀が執り行われ、大勢の弔問客が訪れた。白い布に包まれた遺体の上には、引き裂かれ血まみれになったパレスチナ赤新月社の制服が置かれていた。

 イスラム組織ハマス(Hamas)が実効支配するガザの保健当局によれば、ガザ紛争が始まって以来、120台以上の救急車が破壊され、医療従事者少なくとも326人が死亡した。この数字に今回の救急車攻撃は含まれていない。(c)AFP