【1⽉19⽇ Peopleʼs Daily】山東財経大学(Shandong University of Finance and Economics)の宋浩(Song Hao)准教授が投稿した数学の講義動画のシリーズは計76時間を超え、再生回数は1億1000万回に達した。ユーザーが残したコメントは233万6000件だ。動画配信を始めたきっかけは、「救い」を求めた学生がいたことだった。宋准教授はICレコーダーやビデオテープ撮影機、高精細カメラなどと、9年をかけて「設備」を充実させ、講義内容を広げた。ネットユーザーは大学レベルの線型代数、微積分、確率論、数理統計などを学ぶことができるようになった。

 遼寧省(Liaoning)撫順市(Fushun)の中学校物理教師の「光頭強老師」は、授業で行われた物理実験の説明のショート動画を投稿しており、数十秒で実験の背後にある原理や、さらには実験に結び付けて人生の哲理も説明する。視聴者は300万人以上に達した。

 個人だけでなく学術団体の中国科学院や各大学も、組織として科学普及動画や多彩なライブ授業を配信している。教師や医師、その他の専門家の教えに接することが、多くのユーザーにとっての「日ごろの学習」になっている。

 ショート動画投稿プラットフォーム「抖音(Douyin)」は、知識普及を目的とする投稿者のうち一定の資格や実績を持つ人を「万粉知識創作者」に認定しているが、その人数は2022年10月時点で、前年同期比69.6%増の50万人余りに達した。特に目立つのは生活知識、人文知識、科学普及知識、機械知識、科学技術製品知識の動画という。

 雑誌「博物」副編集長を兼任する「中国国土地理」誌ミックスメディアセンターの張辰亮(Zhang Chenliang)主任のアカウント「無窮小亮の科学普及の日常」のフォロワー総数は3500万人を超えた。特に「ネットで人気の生物鑑定」シリーズは、抖音で17億7000万回再生された。

 動画で知識を広める人びとの中でも特別な人が、「シルバー伝達者」だ。すでに定年退職して職場を離れた教師が、ネットを利用して、生涯をかけて学び続けてきたことを伝授している。

 中国では小学校などで中国語のローマ字表記であるピンインを学ぶが、漢字を覚えると使用の機会が少なくなるので、規則を忘れがちだ。小学校の元国語教師で74歳の楊維雲(Yang Weiyun)さんは2021年から、ピンインの授業を携帯電話で撮影して配信している。多くのユーザーが楊先生についてピンインを改めて学び、古い詩の暗誦などにも取り組むようになった。

 元電気工学教師で82歳の王広傑(Wang Guangjie)さんのライブ配信は電子回路に興味を持つ人に人気で、視聴者が40万人を超えることもある。王さんは経験豊富な技術者や専門知識を有する学生を撮影に招くこともある。

 専門家は、「ショート動画とライブ配信が共有と共創を推進している。プラットフォーム側と『知の配信者』は互いに協力して知識伝達の道を広げ、知識伝達の環境を改善し、良質な知識系動画によって、ユーザーに提供するコンテンツの幅をさらに広げるべきだ」との見方を示した。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News