竹でプラスチックに代替、新政策を追い風に地域おこし=四川
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【1⽉17⽇ Peopleʼs Daily】「竹を売って、儲けは二十数万元(25万元=約496万円)だ!」――。中国・四川省(Sichuan)眉山市(Meishan)の天池村では、李開明(Li Kaiming)さんが竹の収穫に追われている。竹は15キロ離れた斑布健康竹産業園に運ばれ竹パルプ紙になる。
斑布健康竹産業園が製造する竹パルプ紙は、中国の無着色生活紙の30%のシェアを占める。「以竹代塑(竹をプラスチックに代替)」という政策を受け、他に先駆けて新たな生産ラインを導入したことが奏功した。
国家発展改革委員会などがこのほど発表した「『以竹代塑』発展加速3か年行動計画」は、竹資源が豊富な四川省に新たなチャンスをもたらした。
「竹観光がこんなに盛り上がるなんて!」――。四川省瀘州市(Luzhou)納渓区の趙坪村では2023年の秋の大型連休中、村営事業所の責任者の聶志君(Nie Zhijun)さんが忙しさのあまりうれしい悲鳴を上げていた。開業して2か月もたたない村の「竹と文化の観光基地」が客であふれたのだ。聶さんは再び叫んだ。「売り上げは2倍じゃ収まらないね!」――。
納渓区にはすでに、森の家、竹林の家、森の養生基地、森林自然教育基地、花の産業パークなど20か所の施設が建設されており、休日には観光客がこぞって訪れる。さらにキクラゲ、生薬薬材、竹林での養鶏などを発展させ、産業を興して人々を豊かにした。
四川省の竹林面積は、中国の省クラス行政区で第2位の1835万ムー(約1万2200平方キロ)に達する。しかし、単位面積当たりの竹材産出量はさほど多くなかった。主な原因は2点だった。まず、省内に約200万ムー(約1300平方キロ)もの生産性の低い竹林があったことだ。かんがい施設なども不十分で竹林の成長は遅かった。次に、道路などが整備されていないために伐採コストが高く、皆が「竹の仕事」を嫌ったからだ。
四川省の竹材の3分の1が遊休状態だ。使われていない竹材をどう活用するのか。広安市(Guang'an)天池国有林場では2250ムー(約1.5平方キロ)の竹林を15の区画に分け、区画ごとに竹の間隔を決め作業通路を整備して、伐採作業を機械化してきた。関係者によると、かつては1人で1日1トンしか採れなかったが、今は6~8トン採れるようになったという。
宜賓市(Yibin)江安県(Jiang'an)仁和鎮(Renhe)では、伐採した竹をモノレールで「下山」させる輸送方式が始まった。収穫量当たりの人件費は8割も削減された。かつては手を付ける人のいなかった竹林が、一気に「人気爆発」状態になった。
「以竹代塑」の取り組みの要は、竹材加工の新技術を開発し、竹材の応用分野を開拓することだ。宜賓市興文県(Xingwen)は2018年、ホテル、飲食、長距離旅客輸送、家庭の四大分野で1000種類以上の竹製品を開発した。同県では中国初の竹製日用品の取引所も建設された。
四川省は先ごろ、生活用竹製品の関連技術開発の難関突破を幅広く進め、竹材の代替範囲を拡大することを目指す竹産業の発展を推進する関連政策を発表した。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News