【1月8日 AFP】イラン司法府の公式ニュースサイト「ミザン・オンライン」は6日、頭部をスカーフで覆わず「風紀を乱した」女性に対し、74回のむち打ち刑を執行したと発表した。

 ロヤ・ヘシュマティ(Roya Heshmati)さんは、首都テヘランの公共の場所で頭をスカーフで覆っていなかったため、有罪判決を受けたという。同サイトは「74回のむち打ち刑は、法とシャリア(イスラム法)に従って執行された」と述べた。

 1979年のイラン革命を受け、その後イラン女性は頭と首を覆うことを法律で義務付けられている。

 だが、2022年にクルド系女性のマフサ・アミニ(Mahsa Amini)さんが服装規定に違反した疑いで逮捕され、警察の拘束下で死亡したことをきっかけに大規模な抗議活動が起きて以降、服装規定に従わない女性が増えている。

 当局者は取り締まりを強めているが、服装規定違反でのむち打ち刑はまれ。

 ノルウェーに拠点を置くクルド系人権団体ヘンガウ(Hengaw)は、今回むち打ち刑に処されたヘシュマティさんは33歳のクルド系女性だと明らかにした。

 弁護士のマジアール・タタイ氏が改革派の日刊紙シャルグに語ったところによると、ヘシュマティさんは昨年4月、ヘッドスカーフを着用していない写真をソーシャルメディアに投稿し、「公共の場でイスラム教のベールをかぶらなかった」ことを理由に逮捕された。むち打ち刑に加え、1200万リアル(約4万円)の罰金も科された。

 当局は違反を監視するために公共の場に監視カメラを設置し、規則に違反した店舗などを閉鎖している。(c)AFP