【1月8日 AFP】インド西部グジャラート(Gujarat)州で2002年に起きた宗教暴動でイスラム教徒の女性たちが集団レイプされ、14人が死亡した事件で、同国最高裁は8日、終身刑を科されながらおととし釈放されていたヒンズー教徒11人を再収監すべきとの判決を下した。

 2022年8月、同州政府委員会の勧告を受けて釈放されていた11人について、最高裁は2週間以内の再収監を命じた。

 11人は釈放された際、親族や支援者らから英雄的な歓迎を受ける様子が動画で公開された。またその釈放は、ナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相が演説で女性の安全について語ったインド独立記念日の祝賀とも重なり、全土で怒りを巻き起こした。

 事件はヒンズー至上主義を掲げるモディ首相が、グジャラート州首相を務めているときに起きた。モディ氏は宗教暴動を見て見ぬふりをしたと非難されたが、2012年に非はなかったとされた。

 野党・国民会議派は最高裁の判決を歓迎。与党・インド人民党(BJP)の「女性に対する冷淡な軽視」が暴露されたと批判した。

 同党広報担当のパワン・ケーラ(Pawan Khera)氏はX(旧ツイッター)への投稿で、「犯罪者の違法な釈放を進めた者たち、受刑者を花輪や菓子で歓迎した者たちに平手打ちが食らわせられた」と述べ、「インドは犯罪の被害者および加害者の宗教やカーストによって、司法運営が左右されることを許さない」と強調した。(c)AFP