【12月31日 AFP】ロシアは30日、同国が開催を要請した国連安全保障理事会(UN Security Council)の緊急会合で、ウクライナが広く禁止されているクラスター弾を使ってロシア西部ベルゴロド(Belgorod)市の民間人に「テロ攻撃」を実施したと非難した。

 ロシアは地元当局の発表として、ウクライナがミサイルとロケット弾でベルゴロドを攻撃し、少なくとも21人を殺害、数十人を負傷させたと主張した。子ども17人が含まれているという。

 ロシアのワシリー・ネベンジャ(Vasily Nebenzya)国連大使は、「ウクライナ政権による民間都市へのテロ攻撃だ」とし、「テロ攻撃の犠牲者数を増やすために、ウクライナはクラスター弾を使用した」と訴えた。同氏によると、スポーツ施設とスケート場、大学が標的にされたという。

 ネベンジャ氏はまた、「意図的に民間人を標的とした無差別攻撃」だったと主張し、「安保理のメンバーには自らの責務を果たし、ロシアの都市ベルゴロドが受けた被害を判定する機会がある」と述べ、損壊の様子を捉えた動画につながるQRコードを提示した。

 これに対しウクライナの支援国は、戦いを始めたのはロシアだと反論。英国のトーマス・フィップス(Thomas Phipps)特使は、民間人が犠牲になり「深く」遺憾に思うと述べる一方で、2年前にウクライナに侵攻して戦いを始めたのはロシアだと非難した。

 フィップス氏は「ウクライナには数十万人のロシア兵がいるが、ロシアにウクライナ兵は一人もいない」「ロシアがこの戦争での自国民の死について誰かに責任を負わせるならば、まず(ウラジーミル・)プーチン(Vladimir Putin)大統領から始めるべきだ」と述べた。(c)AFP