【12月30日 AFP】ポーランド軍は、ロシアのミサイルが29日に領空を通過したと発表した。ミサイルはウクライナから侵入し、再びウクライナに向かったという。

 ロシアは同日、ウクライナ各地に無人機やミサイルによる大規模攻撃を仕掛けていた。

 ポーランド軍のビスラフ・ククワ(Wieslaw Kukula)参謀総長は会見で、「わが国と同盟諸国のレーダーで確認が取れている」と述べた。

 同国軍の作戦司令官によると、ミサイルがポーランド領空に侵入したのは3分間だった。

「必要とあればミサイルを迎撃・撃墜するため戦闘機などを派遣したが、領空内の飛行時間および飛行経路により不可能だったため、ポーランド領からの離脱を許した」という。

 ロシアがウクライナ各地に大規模攻撃を実施していたため、ポーランドの防空システムは警戒態勢に入っていたという。

 ポーランド軍は、ミサイルの信号が途絶えた場所を地上からも捜索したとしている。

 ミサイルの領空通過を受け、当局と軍は緊急会合を開いた。アンジェイ・ドゥダ(Andrzej Duda)大統領は北大西洋条約機構(NATO)のイエンス・ストルテンベルグ(Jens Stoltenberg)事務総長と会談した。

 ストルテンベルグ氏は、「NATOは重要な同盟国と連帯している。状況を注視し、引き続き連絡を取り合う」と述べた。

 ポーランド外務省は同日夜、ロシアの臨時代理大使を呼び出し、ミサイルのポーランド侵入に関して説明を求めた。(c)AFP