【12月29日 AFP】韓国の俳優で、違法薬物使用容疑で警察の取り調べを受けており、今週遺体となって見つかったイ・ソンギュン(Lee Sun-kyun)さん(48)の家族葬が29日、首都ソウルで営まれた。イさんの死をめぐっては、警察とメディアの対応への批判が噴出している。

 米アカデミー賞(Academy Awards)受賞映画『パラサイト 半地下の家族(Parasite)』への出演でも知られるイさんは今週、首都ソウル中心部の公園に止められた車の中で亡くなっているのが発見された。報道によると、「遺書のようなメモ」が残されていた。

 韓国当局は10月、違法薬物使用の容疑でイさんに対する捜査を開始。イさんは深刻なイメージダウンを被っていた。

 イさんの死を受け、メディアや、イさんが死亡する前に19時間にわたり取り調べを行った警察に対する批判が噴出している。

 警察は、捜査上の機密情報をメディアに流し、悪意のある報道を加熱させ、裏付けされていない情報の拡散をあおったとの非難も受けている。

 仁川(Incheon)警察のトップは、「捜査過程全体」が「法的な手続きにのっとり」実施されたとして、問題はなかったと強調した。

 韓国は違法薬物を禁止する厳しい法律があり、尹錫悦(ユン・ソンニョル、Yoon Suk Yeol)大統領は「麻薬撲滅」を掲げている。

 聯合ニュースによると、イさんは薬物と知りながら摂取した事実はなく、ホステスに「だまされた」と主張。イさんはこのホステスを、脅迫とゆすりで告訴していた。

 イさんに対しては薬物検査が2回行われ、いずれも陰性結果が出ていた。(c)AFP/Claire LEE