【1月7日 Xinhua News】日本政府は昨年12月22日、2024年度当初予算案を閣議決定した。うち防衛費は前年度当初比16・6%増の約7兆9千億円と過去最大を更新。日本はここ数年、安全保障政策を大幅に調整し、防衛予算を増加させ、武器輸出規制の緩和を進め、軍事力の飛躍的発展を図っており、中国の専門家は「連鎖反応を起こしかねない危険な兆候」だと警鐘を鳴らしている。

 中国社会科学院日本研究所外交研究室の呂耀東(りょ・ようとう)主任は、新華社のインタビューで、日本が継続的に防衛予算を増やす根本的な目的は、憲法を改正して戦争を発動する力を持つことにあると指摘。日本政府は15年に集団的自衛権を解禁して以降、22年末に安全保障関連3文書(「国家安全保障戦略」「国家防衛戦略」「防衛力整備計画」)を改定するなど一連の安全保障政策を推し進め、中国脅威論や朝鮮半島の核問題を絶えず誇張、国民に自国の安全が脅かされていると感じさせることで、憲法改正への支持を高めてきたと語った。

 遼寧大学日本研究センターの陳洋(ちん・よう)客員研究員は、日本の防衛予算増額が近隣諸国や国際社会に懸念を与えているとの見方を示した。日本がここ数年、米国の戦略に緊密に協力し「自由で開かれたインド太平洋」構想の実現を推し進め、米国に追随して徒党を組み閉鎖的で排他的な小サークルや小グループを形成する一方で、対中包囲網づくりに力を入れ、地域諸国と中国の間に不和の種をまき、アジア太平洋地域で合同軍事演習を実施していると強調。明らかにアジア太平洋地域の平和と安定を損なう行為であり、平和的発展を追求する地域諸国共通の願いに反していると指摘した。

 防衛予算が過去最大を更新し続ける状況を、日本国民はどう見ているのか。呂氏は、岸田文雄首相が防衛予算の増額の一部を法人税と所得税の引き上げで賄う方針を示した際、ほとんどの国民が必然的に生活を圧迫することになるとして反対したと指摘。陳氏は、円安と物価高騰に直面し、庶民の賃金が何年も据え置きという苦境に加え、少子高齢化や科学研究、社会福祉などに多額の資金投入が必要であるにもかかわらず、政府は安全保障と防衛に巨額の予算をつぎ込もうとしており、国民の反対や抗議を招いていると分析した。

 陳氏は日本の今後の防衛戦略について、政府の安全保障と防衛分野での多くのやり方が新安保3文書の精神と内容を踏まえたものであることから、攻撃的武器を増やす傾向を強めていくとの認識を示した。日本の攻撃的武器の輸出拡大は「軍事面の規制緩和」に等しく、日本が武器輸出の面で自制するつもりがないことを示しており、連鎖反応を起こしかねない危険な兆候だと指摘。近隣諸国と国際社会は注視と警戒を続ける必要があると語った。(c)Xinhua News/AFPBB News