【1⽉5⽇ Peopleʼs Daily】スマート倉庫では多くの物流ロボットが緊密に連携して仕分けや運搬をこなす。大型スクリーンには配送中の1000台以上のトラックの走行状況がリアルタイムで一目瞭然に表示される。さまざまな荷物を満載した無人車が配達の「最後の1キロ」を担当する。

 中国では近年、スマート物流の構築が加速している。2020年の中国スマート物流の市場規模は356億7000万元(約7103億円)だったが、2022年には10月までに1280億5000万元(約2兆5500億円)に達した。年平均成長率は70%を超えた。

 物流のデジタル化に伴い、「倉庫」は物流過程における単なる「中継所」ではなく、より精密なサービスを提供できる重要な拠点になった。浙江省(Zhejiang)の義烏市(Yiwu)にある、ECプラットフォーム大手の京東(JD.com)傘下の京東物流「アジア1号」スマート産業パークの「地狼倉」では、無人搬送車(AGV)の「地狼」が100台以上も自由自在に移動している。

「地狼」は自らの位置情報を割り出し、倉庫内の次の段階の作業員に円滑かつ迅速に荷物を届ける。スマート倉庫の管理者は「かつては人が荷物を探しましたが、今では荷物が人を探します」と説明した。倉庫の効率は従来の4倍になり、1時間で1500件の注文をこなすことができる。

 道路上の輸送段階も改善を続けている。江蘇省(Jiangsu)鎮江市(Zhenjiang)の恵竜易通国際物流が作成したシステムでは、荷物の運送希望者が携帯電話一つで最も近くにいるトラックを知ることができる。トラック側も携帯電話で発注情報を得られる。同社の衛星測位監視プラットフォームは、それぞれの車の出発地点と出発時間やその終点までの全過程をオンライン上で表示する。

 物流末端の配送段階でも、自動化が進行している。京東物流は2022年10月、他社に先駆けて北京市順義区の自動運転テスト道路を対象に、第1期としてスマート宅配車6台を投入しての無人宅配のモデル運営を開始した。スマート宅配車は交通信号を自ら認識し、歩行者を回避する。大小の貨物を満載したスマート宅配車が道路を安定して走行している。スマート宅配車の積載量は最大200キロ、航続距離は100キロで、1日平均200件超を配送できる。スマート宅配車がたどり着けない地域についても、まずは無人で運べるところまで運び、路上で人が運転する配送車に積み替えることができる。このことで、人が操作する配送車が遠方のステーションまで往復する必要がなくなった。

 京東物流の技術責任者である京東集団の何田(He Tian)副総裁は、「2025年までにスマート物流は全く新しい時代に入ります。AI技術が物流の全過程の高効率自動化発展の実現を後押しします」との見方を示した。同社としては、効率的な技術力付与を継続して、配送全体の効率とサービスの質を向上させ続けていくという。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News