人民元の国際化が急速進行中、パンダ債・オフショア取引・決済手段など
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【12⽉30⽇ Peopleʼs Daily】ここ数年、人民元の国際化レベルは絶えず向上している。例えばパンダ債、すなわち海外機関が中国で発行する人民元建て債券が歓迎されている。中国中央銀行の中国人民銀行(People's Bank of China、中央銀行)によると、今年1-8月に発行されたパンダ債は58本で、発行規模は前年同期比58.2%増の計1060億元(約2兆1119億円)だった。9月末時点で1110社の海外機構が中国の債券市場に参入し、海外機構が保有する中国の株式や債券など人民元建て金融資産は計9兆3000億元(約185兆円)に達した。
オフショア人民元取引も活発化している。10月下旬にはパキスタンとラオスで人民元建ての決済業務を行う銀行が誕生した。パキスタン国立銀行(SBP)のジャミール・アーメド(Jameel Ahmed)総裁は、「人民元による決済銀行の登場により、パキスタンの金融界のコスト削減やパキスタン企業の新市場開拓を後押しすることが期待できる」と述べた。
中国は2022年以降、ラオス、カザフスタン、パキスタン、ブラジルなどで人民元決済銀行を開設し、海外での人民元決済ネットワークを改善し続け、貿易や投資分野の越境取引をさらに利便化した。人民銀はこれまでに、29の国と地域の銀行31行の人民元建ての決済業務を認めた。
中央銀行の関係者は、「国際決済銀行(Bank for International Settlements)によると、人民元の外国為替取引の世界シェアはここ3年で4.3%から7%に増加し、順位は8位から5位に上昇した。人民元は市場シェアの増加速度が最も速い通貨だ」と説明した。その背景には、中国内外の金融市場の相互接続と協力が深まり続け、オフショア人民元商品がより豊富になり、越境投資の利便化と自由化が絶えず進展していることがあるという。
アルゼンチンはすでに、満期になった国際通貨基金(IMF)の融資を返済する際に、中国とアルゼンチンの通貨スワップ協定に基づく額の人民元で支払うことを始めている。
ボリビアでは国営銀行のバンコ・ウニオン(Banco Union)が人民元業務を行うことになった。同国のマルセロ・モンテネグロ(Marcelo Montenegro)経済財務相は、「一帯一路(Belt and Road)」の協力の枠組みの下で人民元をより良く使うことを期待していると述べ、さらに「ますます多くの国が人民元業務を開始しており、人民元の国際化は急速に発展している。今後の国際貿易における人民元の参入度はさらに高まる」との予測を示した。
多くの企業も人民元への信頼を強めている。人民銀がこのほど発表した、中国内外の工業および商業企業3600社以上を対象とした2022年の人民元国際利用市場調査によれば、対象となった企業の約82.8%が越境取引で人民元を使用するか、人民元の使用割合を高めることを検討している。この割合は近年の最高水準だった。調査対象となった海外の工業および商業企業の71.8%が対中貿易のために人民元を優先的に調達して使用する意向を示した。この数字は過去3年で最も高いものだった。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News