【12⽉29⽇ Peopleʼs Daily】長江デルタの面積は中国の国土面積の4%にも満たないが、中国のGDPの4分の1を生み出している。

 上海市(Shanghai)松江区はかつて農業地帯であり、従来型製造業の集中地区だった。区は2016年の初頭、高速道路G60線沿線を調査して、発展の推移を先読みした上で産業の転換の方式を探り始めた。そして出現したのが「G60科創走廊(G60科学技術イノベーション回廊)」だ。「G60科創走廊」は今では9都市にまたがり、松江区は先進製造業の集積地になった。

 温州市(Wenzhou)に属する県級竜港市(Longgang)は1980年代から90年代にかけて印刷都市として中国全国で知られていた。しかし、従来型企業が横並びしていたことで発展は困難に直面した。竜港市印刷包装業協会の梁孝克(Liang Xiaoke)執行事務局長は「従来型産業も発展できます。重要なのは質の高い発展です」と述べた。

 現在の竜港市の印刷工場では、拡張現実(AR)技術により印刷パターンがモニターに映し出され、人との交流も可能だ。近距離無線通信(NFC)技術により、携帯電話と名刺を接触させると情報がアドレス帳に伝送される。市の印刷産業の2022年の科学研究投資額は前年比44%増に達した。

 安徽省(Anhui)合肥市(Hefei)高新区は「量子ストリート」と呼ばれる。世界初の量子科学実験衛星「墨子(Mozi)」や初の量子機密通信ネットワーク「京滬幹線」、初の光量子コンピューターが誕生した地だ。

 昨年8月には、中国最大規模の量子都市ネットワーク「合肥量子都市ネットワーク」が開通した。科大国盾量子技術の谷風波(Gu Fengbo)氏は、量子通信技術は実験室から産業化に向かっていると説明した。同社創業時の従業員は十数人だったがすでに株式上場に成功し、ハイテク分野の「小さな巨人」に成長した。

 合肥では新型ディスプレー産業も大成長した。京東方科技集団(BOE)は累計1000億元(約1兆9924億円)以上の投資を行い、2万5000人以上の雇用を創出し、100社以上の発展を促すようになった。合肥市は世界最大のディスプレー製造拠点の一つになった。

 復旦大学(Fudan University)の博士課程を卒業した朱向瑩(Zhu Xiangying)氏が設立した恒馭生物科技は、世界のバイオ医療産業のダークホースだ。同社の特徴の一つが、上海市内の浦東新区と浙江省(Zhejiang)の嘉善県(Jiashan)の2か所に拠点を置いたことだ。

 朱氏によると、浦東では主に研究開発と販売を、嘉善では産業化を行っている。例えば嘉善では企業に提供される「イノベーションチケット」により、浙江大学(Zhejiang University)と復旦大学からそれぞれ研究開発サービスを購入した。このことで、企業のイノベーションが大きく加速したという。

 長江デルタ国家技術革新センターの共同設立準備、長江デルタ科学技術革新共同体による共同難関突破協力メカニズムの構築、デジタル経済の地域をまたぐ協力強化など、長江デルタでは新たな成長を後押しする施策が目白押しだ。長江デルタ地域は新たな発展の仕組みを形成する方法を皆で模索しつつ、未来に向けてまい進している。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News