釜山大学病院の一般病棟病室のベットに患者服が置かれている(c)news1
釜山大学病院の一般病棟病室のベットに患者服が置かれている(c)news1

【12月26日 KOREA WAVE】韓国で製薬会社が新たな抗がん剤の効果を検証するために施行する「依頼者主導臨床試験」の80%以上がソウルと京畿道(キョンギド)など首都圏で実施されていることがわかった。政府のがん分野の研究開発費も首都圏に60%以上集中し、臨床診療はもちろん研究開発も「偏り現象」が深刻であることが確認された。

大韓がん学会はこのほど、がんに対する研究動向と今後の研究発展方向を提示する「大韓がん学会癌研究動向報告書2023」発刊に合わせて記者懇談会を開催した。がん研究動向報告書はがんの現況と治療、研究を網羅した「白書」だ。国立がんセンターがん征服推進研究開発事業の支援を受け、大韓がん学会を主軸に20人余りの国内がん研究専門家が発刊に参加した。

報告書によると、2020年がんの新規患者は24万7952人で、2000年より14万4896人増加した。がんは普通、年を取るほど発生率が高いが、期待余命が延びてがんと診断される患者が増えた。幸い、国家がん検診事業の拡大と認識改善、手術・抗がん・放射線などの治療法の発達により、がん患者の5年相対生存率も同期間42.9%から71.5%に大きく上昇した。がんを治療中または完治した「がんサバイバー」は227万6792人で、人口全体の4.4%にもなる。

しかし、がんは依然として不動の死亡原因1位の座を守っている。がん患者が増え、がん死亡者数も2001年5万9288人から2021年8万2688人に増加した。今回の報告書の発刊委員長を務めたソウル大学病院のキム・テヨン教授は「がん生存率を反対に解釈すると、30%の患者はまだがんで死亡する状況だ。がん患者と家族の苦痛と社会的負担を減らし国民健康を増進するためにがん分野の公衆保健、基礎・臨床研究に関する発展方向を模索することは非常に重要だ」と強調した。

(c)MONEYTODAY/KOREA WAVE/AFPBB News