次世代小型衛星2号の国産開発合成開口レーダー(SAR)で撮影した富士山(韓国科学技術院提供)(c)news1
次世代小型衛星2号の国産開発合成開口レーダー(SAR)で撮影した富士山(韓国科学技術院提供)(c)news1

【12月26日 KOREA WAVE】2023年は韓国が合成開口レーダー(SAR)衛星の国産化に成功した初年度だ。

SARは衛星や飛行体から電波を順次地上や海洋に送り出し、戻ってくる電波を分析して地形を把握するレーダー技術だ。衛星や飛行体が速く動くと、ドップラー効果などを活用してより精密な観測が可能だ。

SARに使われるマイクロ波は雲を通過することができ、従来の光学衛星とは異なり、天気と関係なく観測できるため、活用用途が広い。太陽光を活用せず夜も観測可能なSAR技術は軍事偵察だけでなくエネルギー探査、資源モニタリング、災害・災難監視、気候・環境監視、建設・インフラ開発など民間分野でも活用される。

2013年に打ち上げられたアリラン5号(多目的実用衛星5号)は、韓国が運用した最初のSAR衛星だが、SAR搭載体はイタリアで製作された。

SAR国産化は韓国科学技術院(KAIST)人工衛星研究所で今年成功した。最初の国産SARが搭載された次世代小型衛星2号は5月25日、ヌリ号3号に載せられ宇宙に向かった。

次世代小型衛星2号は高度550キロの軌道に乗り、SAR性能検証に入った。KAIST人工衛星研究所は9月、SARで撮影された映像を公開し、性能試験に成功したと発表した。

KAIST人工衛星研究所に続き、ハンファシステムも今月、独自開発したSAR衛星の打ち上げに成功した。

ハンファシステムのSAR衛星は、一般衛星とは異なり、搭載体と本体及び太陽電池パネルが一体化された形だ。多数の電装品を一つに統合して発射体に最大限多く積めるように設計され、発射費用で競争力がある。

ハンファシステムは、今回の打ち上げ成功を契機に宇宙開発経験を確保し、SAR映像ビジネスにも乗り出す計画だ。具体的に▽高解像度衛星イメージ分析を通じた環境モニタリング▽地理情報システム(GIS)地図製作データ分析▽衛星映像情報自動融合・分析など多様な付加価値を創出する予定だ。

打ち上げ成功後、ハンファシステムのオ・ソンチョル代表理事は「ハンファシステムは民間主導の衛星開発・製造・打ち上げ・管制・サービスまで事業領域を拡大していき、K-宇宙産業を代表する衛星企業に成長していく」と明らかにした。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News