「息をするのもイスラエルの意のまま」 ヨルダン川西岸
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■寝ていたところを流れ弾に当たって亡くなる住民も
10月、ジェニンのモスク(イスラム礼拝所)がイスラエル軍に空爆された。下の階の壁には穴が開き、破壊された階段は途中からその行き先を失った。
パレスチナの保健当局は、この攻撃で男性2人が死亡したとしているが、イスラエル軍は、殺害したのは「テロ工作員」で、このモスクの地下を司令部として使用していたと主張した。
モスクの隣に住むハニ・ダマジさんの家も影響を受けた。ダマジさんの寝室はモスクに面していたため、コンクリートの塊が壁を突き破り、がれきがマットレスに降り注いだ。ダマジさんは、自身と親族が負傷することなく生き延びたのは幸運だったと話す。
イスラエルの軍事作戦中、ベッドで寝ていたところを流れ弾に当たって亡くなった住民も何人かいると、キャンプで暮らす人々はAFPに語った。
ヨルダン川西岸地域をめぐっては、1967年の第3次中東戦争以降、イスラエルが占領地として支配下に置いている。
今月、AFPが入手した動画には、ジェニン難民キャンプにある別のモスク内でイスラエル兵が拡声器を使い、ユダヤ教の祈りを唱えている様子が映っていた。パレスチナ自治政府は、冒涜(ぼうとく)行為だと非難した。
AFP特派員はさらに、モスク近隣の文化施設「フリーダム・シアター(Freedom Theatre)」にイスラエル兵が押し入り、「ダビデの星(Star of David)」のマークをスプレーでペイントしたとされるスクリーンを確認した。
同施設で芸術監督を務めるアハメド・トバシ氏は、「兵士がなぜこのような振る舞いをするのか」と憤る。
「私たちの生活、未来、眠るのも、息をするのも、イスラエルの意のままだ」 (c)AFP/Laurie Churchman