【12月21日 AFP】米軍は20日、米首都ワシントン郊外のアーリントン国立墓地(Arlington National Cemetery)の南部連合(Confederate States of America)をたたえる記念碑の撤去作業を進めた。

 南部連合は、1861~65年の南北戦争(American Civil War)で敗北した。当時、奴隷制度を支持していた。

 裁判所は18日、「南部の歴史」の保存を望む市民らの訴えを受けて撤去の一時停止を命じたが、翌日には作業再開を許可した。

 米国では2020年に発生したジョージ・フロイド(George Floyd)さんの殺害事件をきっかけに、人種差別と警察による暴力への反発が全国的に広がり、南部連合をたたえる像や記念碑の撤去を求める声が高まった。また、南部連合側の人物にちなむ軍施設の改称を迫る動きも起きている。

 国防省の委員会は2021年、アーリントン墓地の記念碑について「美化された奴隷制の描写」があり、南部連合を「懐かしみ、神聖視する」ものだと指摘した。

 アーリントン墓地には、退役軍人約40万人とその配偶者らが眠っている。(c)AFP