【12月21日 AFP】殺人犯として48年強収監されていた71歳の米国人男性に対し、逆転無罪が19日、言い渡された。男性は今年7月に保釈されていたが、「米冤罪事件データベース(National Registry of Exonerations)」によると、冤罪が晴れて釈放された受刑者の収監期間としては米国史上、最長となった。

 無罪を勝ち取ったのは黒人男性のグリン・シモンズさん。オクラホマ州エドモンド(Edmond)で1974年に起きた酒店強盗殺人事件で他の男性1人と共に訴追され、30歳の店員を殺害した罪で翌75年に死刑判決を受けた。後に2被告とも終身刑に減刑されていた。

 事件では、店内にいた10代の客の目撃証言が決め手となり、シモンズさんと、共犯とされたドン・ロバーツさんに有罪判決が下された。

 客の10代女性は警察の容疑者リストの中から2人を犯人として選んだが、その後の捜査で、証言の信ぴょう性に疑義が浮上していた。また2人は公判で、事件当時オクラホマにはいなかったと主張していた。

 オクラホマ州の地裁判事は7月、シモンズさんの有罪判決を取り消した。さらに今月19日、逆転無罪を言い渡した。ロバートさんは2008年に釈放されている。

 シモンズさんは無罪を勝ち取ったのを受け、記者団に「きょう、正義がついになされた」と語った。また、「起きてしまったことはなかったことにできないが、責任は果たされ得る」とし、補償を求めていく考えを示した。(c)AFP