【12月23日 CGTN Japanese】中国東部の山東省済南市にあるジャズバンド「夕陽長空舞ボランティア音楽団」は団員の平均年齢が73歳で、その中でもドラマーの陳月麟さんはもう90歳になりました。

 陳さんは若い頃から舞踊や音楽が好きで、1993年に退職した後、数人の友人と高齢者ダンス協会を結成し、海外公演に招かれたこともあります。しかし、70歳になってダンスは少ししんどいと感じ始めたため、楽器を習おうと考えました。

 公演の際にドラムセットと出会い、この楽器は人に力を与えてくれると感じ、試しに習い始めたといいます。

 最初は家でも練習ができ、近所の迷惑にもならないようにと、ゴム製の皮を使い、音楽を聴きながらビートに合わせて練習していました。練習を重ねていくうちに徐々にリズムをつかみ、周囲との連携も良くなっていきました。

 2006年、73歳になった陳さんは、定年退職した古い仲間で音楽の好きな人たちを集め「夕陽長空舞ボランティア音楽団」を結成しました。少なくとも週に1回は練習し、よく地元のチャリティ公演に出演しています。

 陳さんにとって、音楽、特にドラムセットはただの趣味ではなく、力と勇気の源でもあります。数年前、脳梗塞を患った陳さんは、さまざまな方法で体を鍛え、編み物をしたり、ミシンを踏んだり、材料を買って料理をしたりと、手足の柔軟性を保つようにしています。それもこれも、ドラムをたたき続け、バンドとの練習を続けられるようにするためです。

 陳さんは「私は、人は自分のためだけに生きているのではないと思う。自分以外に、もっとみんなを喜ばせるべきではないかと思う」と語っています。(c)CGTN Japanese/AFPBB News