【12⽉22⽇ Peopleʼs Daily】中国の習近平(Xi Jinping)国家主席は11月29日、上海市閔行区にある集合住宅の「新時代都市建設者管理者の家」を視察した。「新時代都市建設者管理者の家」の主たる入居者は都市現場の運営や維持要員、ブルーカラー、宅配便配達員などであり、賃貸料は市場価格と連動させつつも入居者の所得水準に十分配慮している。各戸には戸棚やトイレ、厨房などがあり、共用スペースとしてシェアキッチン、洗濯室、娯楽コーナー、図書コーナーなどがある。

 各地から集まる都市建設や基礎的公共サービスの労働者は、上海の発展と運営を後押しする重要な力だ。上海市は低所得の現場労働者の居住を保障するために、立地が良く品質が高く、賃貸料が低い住宅の提供を積極的に進め、現場で働く地方出身者がより安全で、より尊厳があり、より快適に上海で働き生活できるよう心がけている。

 上海はしばらく前から「人民が人民都市を建設、人民のための人民都市」の方針を堅持し、人々の生活をより便利で快適なものにしてきた。老朽化して居住条件も悪い住宅を改造する「両旧一村」は加速され、今年はすでに33万平方メートル以上の改造を完了した。また市街地にあってスラム街のような状態になってしまった地域の改造にも着手した。低所得者向け賃貸住宅は6万8000戸分を新たに確保し、「新時代都市建設者管理者の家」の第1期では、約7000人分の住居を供給した。

 楽しめる都市空間を創出する「一江一河」では、質の向上に努めている。蘇河湾緑地、北外灘国客センター航海公園、董家渡景観花橋などの水辺は市民がこぞってやって来る名所になった。浦東新区と閔行区では「岸辺の道」8キロが新たに開放され、それ以外にも今年は「美しい街区」75か所が建設された。

 エコ都市建設の一環としては、今年は超省エネ建築事業260万平方メートル分を実施し、既存公共建築物530万平方メートルの省エネ改造を実施する。また、都市管理業務のデジタル化の基礎を固め、都市の建設と管理の全面デジタル化を推進する。さらにガス供給などでの重大リスク源の管理と緊急時の処置能力を強化し、安全性を着実に向上させていく。

 上海の模索と実践は、中国政府が持続可能な発展の道を堅持し、新型都市建設を推進する縮図だ。中国各地ではここ数年来、人を中心に据える都市改造を進めることで、生活の質が向上している。着手された事業は老朽化した都市パイプラインの改造、包括的な養老・医療・介護の融合型施設の増設、「ミニ公園」の建設、生態の改善、身近なフィットネス施設の改善など多種多様だ。今年1-7月には全国の電力・熱供給・ガス・水道事業への投資が前年同期比で25.4%増加した。また、1-7月に全国で改造が始まった老朽住宅は4万6600か所で、住民795万世帯に恩恵をもたらすことになる。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News