【12月20日 AFP】米メタ(Meta、旧フェイスブック)の第三者機関である監督委員会は19日、イスラエルとイスラム組織ハマス(Hamas)の軍事衝突によってもたらされた惨状を伝える一部の投稿を同社が削除していると批判した。

 監督委は、投稿管理が適切かを独立した立場で審査するため、2020年に設置された。

 監督委は今回、パレスチナ自治区ガザ市(Gaza City)のシファ(Al-Shifa)病院もしくはその付近への攻撃後を撮影したとみられる動画が写真共有アプリのインスタグラムから削除された点を指摘。動画には、死傷した子どもを含むパレスチナ人が捉えられていたとしている。

 また、10月7日のハマスによるイスラエルへの越境攻撃の際、人質にされたイスラエル人女性が命乞いしている様子が捉えられている動画がSNSのフェイスブックから削除された点も問題視。

 監督委のマイケル・マコネル(Michael McConnell)共同議長は声明で、「こうした投稿は投稿者にとって重要なだけではなく、耳目を集める事象についてのタイムリーかつ多角的な情報を求めている世界の利用者にとっても重要だ」と強調。「投稿には、国際人権や人道法に対する重大な侵害を示す重要証拠となるものも含まれている可能性がある」とし、削除したコンテンツを保存しておくよう要請した。(c)AFP