【12月20日 Xinhua News】中国が良質でハイエンドな科学技術イノベーション型産業の発展を進める中、ますます多くの外資系企業が中国新興産業向けの投資を拡大し、新興産業が外資導入の新たな原動力になりつつある。

 統計によると、中国製造業の1~10月の実行ベース外資導入額は前年同期比1・9%増の2834億4千万元(1元=約20円)で、うちハイテク製造業の導入額は9・5%増加した。

 中国ハイエンド製造業を代表する新興産業の一つである新エネルギー車(NEV)産業は、完成車の生産、スマート技術の開発、自動車産業チェーンなど世界の関連産業の発展をけん引している。多くの多国籍自動車メーカーが未来の自動車市場に目をつけ、続々と中国への布石を打っている。

 ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)が安徽江淮汽車集団(JAC)と合弁した大衆汽車(安徽)は総投資額231億元の新エネ車プロジェクトの建設を着実に推進している。同社のアーウィン・ガバルディ最高経営責任者(CEO)は「今年は合肥市で総投資額75億元の大衆汽車集団(中国)科技を設立した。中国市場専用の初の電気自動車(EV)プラットフォームを合肥に立ち上げる」と表明。VWはわずか2年半で安徽に新たな新エネ車センターを設立し、研究開発から生産、販売、サービスまでの整ったバリューチェーンを築いたと語った。

 同じくドイツの自動車大手BMWグループが華晨汽車集団と合弁した華晨宝馬汽車(華晨BMW)は5月、バッテリーだけで動く電気自動車(BEV)の次世代モデルを瀋陽市で26年から生産する計画を発表。これに伴う投資額100億元の第6世代車載電池プロジェクトも全面的に起工している。

 中国のイノベーション発展や質の高い発展は、新エネ車の分野だけでなく、外資系企業がバイオ医薬やデジタル経済などの新分野で新たな市場を切り開くのにも持続的な原動力を注ぎ込んでいる。 

 米特殊ガラス大手コーニングの劉之菲(りゅう・しひ)大中華圏(グレーター・チャイナ)マネジャーは「中国への投資を続け、積極的に科学技術イノベーションを推進し、新分野で新たなチャンスを模索していく」と語る。世界の材料科学分野をリードする企業の一つである同社は、中国に設立した初の自動車応用ソリューション工場の第2期拡張プロジェクトをすでに完成、第3期の投資計画も積極的に進めている。同時に、コーニングの薬物知能化合成プロジェクトは江蘇省蘇州市に定住し、バイオ医薬産業生態圏の共同建設も試みた

 米コーヒーチェーン大手スターバックスは8月、総投資額15億元の「スターバックス中国革新・技術センター(SITC)」を深圳市に設立すると発表した。人間中心のイノベーションで小売りのデジタル化を模索する。9月には米国以外の生産施設で最大の戦略投資となる中国コーヒーイノベーションパークを江蘇省昆山市で稼働させた。

 安徽省商務庁外商投資管理処の張鋭(ちょう・えい)処長によると、中央と地方は一流のビジネス環境の構築に向け一連の措置を打ち出し、外資政策の最適化を図っている。安徽は科学技術イノベーション産業発展の重要な省の一つとして、外資系企業の同地への研究開発センター設立を支援する的を絞った政策を打ち出している。

 中国国際貿易促進委員会(CCPIT)が発表したリポート「2023年第3四半期(7~9月)中国外資ビジネス環境調査研究報告」では、調査対象となった外資系企業の8割超が中国のビジネス環境に「満足」以上の評価を与えたほか、約9割が向こう5年で中国事業の利益が現状を維持または増加すると予想している。(c)Xinhua News/AFPBB News