【12月18日 AFP】国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)は18日、イスラエル政府がパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)に対する攻撃の一環で、民間人を意図的に飢餓に追い込んでいると非難した。

 HRWは同日公表した報告書で「イスラエル政府は占領下にあるガザ地区で、民間人を飢えさせることを戦争の手段として用いており、これは戦争犯罪だ」と指摘。「イスラエル軍は計画的に水、食料、燃料の輸送を妨害している上、故意に人道支援を阻害し、農地を徹底的に破壊し、民間人から生存に不可欠なものを奪っている」と指弾した。

 イスラエル政府はこれに反発。HRWは「反ユダヤ主義かつ反イスラエルの組織」だと非難した。

 外務省のリオール・ハイアット(Lior Haiat)報道官は「HRWは10月7日のイスラエル市民に対する攻撃と虐殺を糾弾しなかった。もし同団体がイスラエル人の苦しみと人権を無視するのならば、ガザで起きていることについて語る道徳的基盤がない」と述べた。

 イスラエルは15日、国内のケレムシャローム(Kerem Shalom)検問所を通じてガザ地区内へ、人道支援物資の「一時的な」輸送を許可した。

 エジプト紅新月社(Egyptian Red Crescent)のある職員は、取材を受ける許可を持ってないとして匿名を条件に取材に応じ、17日にはイスラエルからの許可後初めて物資を載せたトラックがガザに入ったと語った。トラック計79台が入域を開始したとしている。(c)AFP