最高裁判所(c)news1
最高裁判所(c)news1

【12月15日 KOREA WAVE】幼い子どもの面倒を見るため早朝の勤務を拒否したことを理由に、企業が試用期間中の従業員女性の本採用を断れるかどうかが争われた裁判で、韓国最高裁は、企業側勝訴とした2審の判断を覆し、逆転敗訴の趣旨でソウル高裁に差し戻した。事業所に勤労者への「仕事・家庭両立支援のための配慮義務」が認められるということを初めて認めた判決だ。

判決などによると、この従業員女性は高速道路の営業所で8年9カ月、日勤職(午前9時~午後6時)として働きながら6歳と1歳の子どもを育てていた。2017年4月に雇用先が新たな道路管理業者に継承され、この業者と試用契約を結んだ。

女性は試用期間中、早朝の当番勤務や休日出勤を指示されたが、子ども養育を理由にこれを拒否した。業者は3カ月の試用期間後、勤務の拒否などを理由に本採用しなかったため、女性は「不当解雇と同じだ」として救済申請をした。

中央労働委員会は「本採用拒否に合理的理由がなく不当解雇に該当する」と判断したことから、業者が中央労働委の決定取り消しを求めて訴訟を起こした。1審は訴えを退けたが、2審は「本採用拒否通知に合理的な理由がある」として業者勝訴の判決を出した。

最高裁も「幼い子どもを育てるという事情だけで早朝や休日の勤務を拒否できるとまでは言えない」とする一方、「養育に伴う勤務上の困難を女性個人が全面的に耐えなければならないと見ることはできない」とした。

そのうえで「業者は、女性が子どもを保育施設に登園させねばならず、早朝や休日の勤務は養育に困難をきたすという事情を十分に知っていた」と指摘。「事業主として仕事と家庭の両立を支援するための配慮義務があり、女性に早朝や休日の勤務を特に指示すべき経営上の必要性もない」と判断した。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News