【12⽉12⽇ Peopleʼs Daily】中国・チベット自治区(Tibet Autonomous Region)ニンティ市(Nyingchi)のラテンガ村の森林保護員を務めるソナムツェリンさんは、携帯電話を手にして背負い鞄を片付けると、再び林を巡回する道に出た。

 ラテンガ村の周囲には原生林が広がっている。ソナムツェリンさんは樹木の写真を撮影したり記録をしたりして、問題があればすぐにアップロードする。使っているのは市政府が森林保護員のために作った専用アプリで、保護員の巡回記録も保存されるので保護活動の状況の把握もより正確になった。状況を大きく変化させたのはラテンガ村でも5Gネットワークが利用できるようになったことだ。ソナムツェリンさんは「村で5Gネットワークが接続されてから使用できる装備施設が増え、やれることがどんどん増えています」と述べた。

 ラテンガ村村民委員会の主任のギャサンツェテン主任はネットワークの改良の生き証人だ。かつては多くのページが開かなかったのに、今ではオンライン動画をスムーズに視聴できる。

 意外だったのは、遠くから来る観光客が増えたことだ。今では村の入り口の道で動画をライブ配信する旅行者をよく見る。ラテンガ村の周囲には有名な森林公園があるため、村に立ち寄る観光客が多い。彼らは5Gネットワークを利用して「現場中継」を楽しんでいる。観光客が動画配信を行えば、それが呼び水になって次の観光客がやって来る。村は観光客が買い物や飲食に使う金銭でより潤うようになった。

 便利な5Gネットワークが構築されたおかげで、観光客によるニンティからの情報発信が格段に増えた。特に3月ごろに始まる桃の花の季節には、桃色で埋め尽くされた絶景のライブ配信が行われる。それ以外にもメンリン県(Mainling)のリンゴやブドウ、ザユル県(Zayul)のキウイ、メトク県(Medog)の石鍋や茶葉などが5Gを利用したライブ販売で売れていく。5Gが地元に確実な恩恵を与えている。

 5Gによって、チベットでも農業技術の革新がもたらされた。例えばロカ市(Lhoka)では、スマートハウスプロジェクトが始まった。5GとIoT(モノのインターネット)を利用して農業用ハウスの自動化と管理のスマート化を実現することで、人件費が年間650万元 (約1億3186万円)節約でき、トウモロコシは15%、トマトは29%の増産を実現し、さらには維持補修費が従来の半分程度になった。

 ラサ市(Lhasa)メルド・グンカル県(Maizhokunggar)内にある巨竜銅鉱山の平均標高は4000メートルを超える。同鉱山は露天掘りの「5G+自動運転」のシステムを構築し、劣悪な環境で働く人員を削減した。

 チベット自治区通信管理局によると、チベット自治区全体で5G基地局が累計8700か所以上建設され、5Gユーザーは184万人に達した。すべての郷・鎮レベルの行政区画で5Gの利用が可能になり、人口1万人当たりの5G基地局数は中国全国平均の23か所に達した。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News