【12月8日 AFP】ドイツのオラフ・ショルツ(Olaf Scholz)首相は7日、首都ベルリンでユダヤ教の祭り「ハヌカ(Hanukkah)」の始まりを祝う式典に出席し、同国首相として初めて、ハヌカの巨大な燭台(しょくだい)に献灯した。イスラエルとイスラム組織ハマス(Hamas)の衝突が続き、反ユダヤ主義が強まる中、ユダヤ人への「連帯」を示した。

 ユダヤ教の帽子「キッパ」を着けたショルツ氏は、ブランデンブルク門(Brandenburg Gate)付近に集まった人々を前に、ハマスが人質として拉致したイスラエル人の「即時解放」を訴えた。

 厳戒態勢の中で行われた式典には、人質となっている独系イスラエル人男性の親族2人も出席。両氏がともした火が、ショルツ氏に渡された。

 ショルツ氏は、ユダヤ教のラビ(宗教指導者)と共にクレーンに乗り、巨大燭台の最初のろうそくに火を付けた。

 ドイツではガザ衝突以降、ユダヤ人に対するヘイトクライム(憎悪犯罪)件数が急増。これを受け、ショルツ氏はユダヤ人の保護を表明した。

 同氏は式典で「多くの市民がユダヤ人コミュニティーを言葉や行動で支え、ユダヤ人の隣人、友人、同僚に思いやりと連帯を示していることを喜ばしく思う」と話した。

 さらに、ドイツ社会にとってユダヤ人は「切り離せない」一部だと強調。国内に住むユダヤ人が「自身の信仰や文化の活動に際し、おびえなければならない」状況は「容認できない」と述べた。(c)AFP