【12月5日 AFP】イスラム組織ハマス(Hamas)は4日、10月7日のイスラエルへの越境攻撃の際に、同組織の戦闘員が民間人にレイプなどの性暴力を行ったとされる批判を「根拠のないうそ」として全面的に否定した。

 イスラエル警察は、ハマス戦闘員がキブツ(生活共同体)や基地を襲撃した際、レイプから遺体損壊に至るまでの性暴力を行った証拠を集めたと発表した。

 これに対しハマスは、「パレスチナのレジスタンスであるわれわれを極悪視するため、根拠のないうそや疑惑を広めるシオニストによるキャンペーン」の一環だと非難。イスラエルの女性団体や人権団体による主張についても、10月7日の戦闘開始以来イスラエルが繰り返している「うそ」の一つだと一蹴した。

 イスラエルでは先週、警察幹部が議員らに対し、目撃者、医療従事者、病理学者から「衝撃的な証言1500件以上」を捜査当局が収集したと報告。

「少女らが上半身も下半身も衣服をはぎ取られたり」、若い女性が集団レイプされ、手足を切断されて殺害されたりという悲惨な目撃証言もあったと語った。

 さらに、「性器や腹部、脚、臀部(でんぶ)」を負傷し、「乳房を切除」されるか、「銃創」を負っていたという証言もあり、初動要員は「両手を後ろ手に縛られ、陰部から血を流している女性の遺体」もあったと話していると述べた。

 ハマス襲撃時のジェンダーに基づく暴力に関する調査委員会の委員長は先月、「10月7日に(ハマスに)レイプなどの性暴力を受けた被害者の大多数は殺害されており、証言は得られない」と述べた。

 UNウィメン(UN Women)は、ハマス襲撃時の「ジェンダーに基づく残虐行為と性暴力に関する多数の報告を深刻視している」「ジェンダーに基づく暴力に関するすべての証言について、正式な捜査と訴追を求める」と表明した。(c)AFP