【12⽉8⽇ Peopleʼs Daily】中国は世界最大の電解アルミニウム生産国だ。電解アルミの生産は電力使用量が多く、中国の工業分野における炭素排出対策の重点の一つとされている。「ダブルカーボン」の目標を実現するには、アルミ産業がグリーン・低炭素発展の道を歩まなければならない。

 広西チワン族自治区(Guangxi Zhuang Autonomous Region)百色市(Baise)に本社を置く広投銀海アルミ業は中国で初めて「グリーンアルミ炭素ラベル試行ポイント」の証書を取得した企業だ。同社のアルミ製品の生産・物流・消費過程における炭素排出総量は記録されるようになった。この方式は、アルミ産業チェーン全体の炭素排出管理や高度省エネ化を目指すものだ。すでに中国内外の顧客の多くが「グリーンアルミ」を選択するようになったという。

 また企業側は広投銀海アルミ業を例にするならば、電力料金を年間4000万~5000万元 (約8億2177万~10億2722万円)節約できるようなった。グリーン化は企業にとっても実益を得られる取り組みなのだ。

 中国ではグリーン発展が社会全体の共通認識になり、グリーン技術、グリーン製品を積極的に発展させることが業界側の共通認識になった。グリーン・低炭素産業の育成と拡大を加速することは、企業発展の潜在力と底力を強化し、中国のアルミ業界の国際競争力を強化することにつながる。

 アルミ事業のグリーンモデルへの転換には技術の力が必要だ。中でもデジタル技術やスマート化技術は特に有効だ。情報技術を駆使すれば、関連設備から省エネに結び付くデータを収集し、抽象モデルを構築し、生産における実際を可視化できる。その上で製造設備をアップグレードすれば、グリーンモデル転換をより強力に推進できる。また、これらの作業は炭素排出量の計算手法の構築にも有効だ。

 百色市ではアルミ産業チェーンが形成されている。アルミ産業が集中していることは、例えばアルミ材加工の過程で発生したアルミの端やくずを再溶融して再加工することに有利だ。アルミナの製造過程で発生する固形廃棄物の赤泥は、鉄成分などを抽出した後、建材原料や路盤材などに利用される。これらの取り組みにより、アルミ分野での「グリーン循環」の形成が後押しされ、産業チェーンの弱い部分が補われ、循環型経済が推進され、競争面でも新たな強みが出現した。

 モデルチェンジとアップグレードは企業が必ず推進せねばならぬ課題であり、地域発展の突破口でもある。

 今では屋根の上の太陽光発電パネルや山林の風力発電機などが、百色のアルミ業界に「緑の電気」を注ぎ込んでいる。グリーン・低炭素発展の道を堅持し、全産業チェーンの考え方を確立すれば、中国のアルミ業界のグリーンモデル転換は必ずさらに輝かしいものになるに違いない。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News