【12⽉7⽇ Peopleʼs Daily】中国ではロボット産業が急速に発展している。2022年の中国ロボット産業の売上高は1700億元(約3兆4925億円)を超え世界第1位を維持した。国際ロボット連盟(IFR)によると、2023年上半期も中国のロボット産業は安定した成長を維持し、サービスロボットの生産数は前年同期比9.6%増の353万セットだった。

 中国政府はロボット分野の後押しに力を入れている。第14次5か年計画は、2025年までに中国が世界のロボット技術革新の発信地、ハイエンド製造集積地、応用の重要拠点となる目標を設定した。中国政府17部門は今年初め、2025年までに製造業のロボット密度を2020年比で倍増させ、サービスロボット、特殊ロボットの応用範囲を著しく広げる目標を共同発表した。

 サービスロボットはロボット製品の中で重要な分野だ。中国のサービスロボットメーカーは海外市場へ進出を加速している。国際的には人件費の高い国でもロボットの普及率が低い場合がある。また、中国国外でロボット製品を販売すればより多くの利益を得られる。そのため、2022年には中国のサービスロボットメーカーにとって「海外進出」が業績拡大の重要な手段になった。多くの企業では海外での売上高が中国市場と同等か、あるいは著しく上回っている。中国の商用サービスロボットメーカーの海外での売上高は前年比103.4%増の2億ドル(約293億円)近くに達した。

 北京通用人工知能研究院の焦子元(Jiao Ziyuan)研究員によると、中国で開発・生産されるサービスロボットの強みは主に技術、価格、サービスの3点だ。技術面では人工知能(AI)などをはじめとする中国の比較的先進的な技術が応用されており、安定性やスマート化の水準が高い。価格面では中国で比較的完全なロボット関連産業チェーンが構築されたことで、費用対効果がよりよい製品を作れる。サービス面では中国メーカーが顧客のニーズに合わせてカスタマイズしたサービスを提供できるようになった。中国のサービスロボットメーカーは競争がますます激化する国際市場に対応して技術と革新力を絶えず高め、中国と外国の生活習慣などの違いに注目し、各国の法規と基準を守り、優れたアフターサービスと技術を提供し、産業チェーンを改善し続け、コスト管理における強みを維持する必要がある。

 焦研究員は、「人型ロボットはサービスロボットの主たる発展方向の一つだ」と指摘した。人型ロボットは現実の生活シーンによりよく適応でき、サービスロボットを汎用するにも有利だ。メーカーにとって、人型ロボットの技術研究開発の強化とコスト削減が、今後の重要な方向性になるという。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News