【12月2日 AFP】米検察当局は1日、2020年にミネソタ州で黒人男性ジョージ・フロイド(George Floyd)さんを死亡させた白人の元警察官、デレク・ショービン(Derek Chauvin)受刑者を刃物で22回刺したとして、別の受刑者を殺人未遂などの罪で訴追したと発表した。

 ショービン受刑者は、フロイドさんが「息ができない」と繰り返し訴えたにもかかわらず、9分以上にわたって首を膝で圧迫して死に至らしめ、2021年に禁錮22年6月を言い渡された。事件をきっかけに大規模な人種差別抗議運動が起きた。

 ショービン受刑者はブラックフライデーの11月24日、アリゾナ州トゥーソン(Tucson)の連邦矯正施設の図書館で襲撃された。

 訴追状によれば、ジョン・ターサック(John Turscak)受刑者(52)は事件当日の取り調べで、「Black Lives Matter(黒人の命は大切)」運動を喚起するのが狙いだったと語った。また、刑務官に対して「直ちに止められなかったら殺していただろうと供述した」とされる。

 トゥーソン地区検察局は、殺人未遂、殺害目的の暴行、凶器による暴行、傷害の罪でターサック受刑者を訴追したと発表。「別の地区で連邦犯罪により有罪判決を受けた受刑者D.C.をあり合わせの材料で作ったナイフで22回前後刺した」と説明している。

 フルネームは記されていないが、当局筋はAFPに、D.C.はショービン受刑者に間違いないと認めた。

 ショービン受刑者の容体は明らかにされていない。(c)AFP