海外からの観光客が外国語で質問すると、翻訳機はこれを韓国語に訳してガイドに伝える(c)KOREA WAVE
海外からの観光客が外国語で質問すると、翻訳機はこれを韓国語に訳してガイドに伝える(c)KOREA WAVE

【12月01日 KOREA WAVE】ソウル中心部に外国人観光客のためのリアルタイム人工知能(AI)翻訳サービスが初めてお目見えした。11月中旬、ソウル市光化門(クァンファムン)観光案内所とソウル観光プラザの2カ所に設置された。直接場所に行って翻訳サービスを検証してみた。

◇「明確でない発音も理解」

翻訳サービスを手掛ける韓国企業「フリート(Flitto)」がソウル市と協力して作った。サービス原理は簡単だ。観光客が外国語で質問すると、翻訳機がこれを韓国語に翻訳してガイドに伝える。ガイドが韓国語で答えると、翻訳機はこれを外国語に翻訳して観光客に知らせる。現在、翻訳可能な言語は英語をはじめ、日本語、中国語、タイ語、ベトナム語、アラビア語、フランス語、ロシア語など11カ国語だ。

まず、英語で地下鉄・明洞駅への行き方を聞いてみた。英語の文章も完璧ではなかったが、翻訳機は正確に3秒で質問を理解した後、韓国語に翻訳した。反対側でガイドがこれを確認し、韓国語で答えた。翻訳機はガイドの回答を英語に変換した。

近くにいたフリートの関係者は、翻訳機に独自開発したAIエンジンを搭載していると説明したうえ「フリートは10年間、言語データを収集し、翻訳サービスを発売した。AIエンジンは文脈を理解することができ、明確でない発音も理解できる」と強調した。AIエンジンはテキストの校正をはじめとするデータ学習を通じ、リアルタイムで自ら機能を高度化することができる。

◇さまざまな「明洞」の発音

外国人が韓国の地下鉄駅やレストランの名称を読み上げても、もちろん韓国人とは異なる発音になる。同じ「明洞」でも「ミングドン」や「ミョンドン」などと読み上げる。フリートは、こうした言語の障壁を克服するため、11言語のネイティブスピーカーから音声データを集めた。

またフリートは、韓国語の発音認識率を高めるためのプラットフォームを自主的に運営しているという。このプラットフォームのユーザー数は173カ国の約1400人。フリート関係者は「明洞など、発音しにくい地域名は翻訳サービスで認識率が低くなる」という。これに対応するため、プラットフォームを通じて外国人の音声データを収集しているという。

外国人がプラットフォームに「明洞」の発音を録音して提出すれば、フリートはこれを収集してAIエンジンに入れる。AIエンジンは、さまざまな発音の「明洞」を認識し、ガイドの回答を手助けする。

フリートはサービスを国際会議にも適用する方針だ。現在、最終テスト中であり、近く発売することを目標に掲げる。

◇チャットボット機能も必要

リアルタイム翻訳サービスは外国人観光客にとって確かに有用だ。グーグルマップや旅行翻訳アプリケーションにこの機器の位置情報を連動させれば、観光客の利用がより簡単になる。

翻訳サービスにチャットボット機能を搭載すれば、さらに観光客が便利に質問できるだろう。現在は観光客と翻訳サービスの間にガイドが介在している。ガイドが観光客の質問に答えなければならないからだ。

ガイドが不在の場合、観光客は翻訳サービスで回答を受けることができない。リアルタイム翻訳とチャットボットを統合したサービスにアップデートされれば、外国人がいつでもより便利に利用できるようになる。

(c)KOREA WAVE/AFPBB News