車両に轢かれた女性を救出する救助隊員ら(c)ロイター/news1
車両に轢かれた女性を救出する救助隊員ら(c)ロイター/news1

【11月30日 KOREA WAVE】もう目前に迫ってきた自動運転だが、実はまだまだ先のことになるのだろうか。自動運転開発を試みていた完成車メーカーが相次いで障害にぶつかっている。

米GMの自動運転ロボットタクシー事業部クルーズの最高経営責任者(CEO)カイル・フォークトが11月19日、辞任した。GMクルーズが先月、カリフォルニア車両管理局(DMV)から自動運転タクシーの許可が取り消されたことによるものだ。

GMクルーズは自動運転タクシーが救急車・消防車の運行を妨害する事例が数回発生し、10月2日(現地時間)にはひき逃げ事故が起き、道路に倒れていた歩行者を6mほど引きずるという事態まで発生した。GMクルーズはこの事件と関連し、ソフトウェアの欠陥解決のため車両950台をリコールした。

メアリー・バーラGM会長はクルーズが2030年までに500億ドルの収益を上げると明らかにしたが、今年第3四半期だけで7億2800万ドルの損失を被り、2017年以降80億ドル以上の損失を出している。

自動運転事業が難航しているのはGMだけではない。昨年末、米フォードとドイツのフォルクスワーゲンの共同投資を受けていた自動運転スタートアップアルゴAIは、収益性不足を理由に廃業した。アルゴAIはグーグルウェイモ、GMクルーズに続く自動運転の先頭走者だったため、業界の衝撃は大きかった。

グーグルのウェイモも10月、小規模構造調整を断行した。今年に入って3回目の人員削減だ。先の2回の構造調整で200人の人員を解雇した。

全米自動車労働組合(UAW)など米国自動車関連労組は11月9日、米国自動車安全規制当局にグーグルウェイモとGMクルーズ、アマゾンのジュクス(Zoox)など自動運転業界に対して全般的な調査を開始することを促した。彼らは書簡で「現在の状態では安全を維持できない。他の道路使用者を危険にさらさないよう連邦の規制が必要だ」と話した。

韓国・現代自動車の状況も容易ではない。現代自動車の四半期報告書によると、現代自動車が米アプティブとの合弁会社である自動運転子会社モーショナルは、今年第3四半期(7~9月)に累積約6008億ウォンの営業損失を出した。

起亜EV9(現代自動車グループ提供)(c)news1
起亜EV9(現代自動車グループ提供)(c)news1

当初、昨年末、ジェネシスG90のマイナーチェンジモデルに搭載される予定だったレベル3自動運転(両手を放して走行できるレベル)は、G90から一転して起亜EV9搭載で計画されたが、これも延期され、いつになるのかわからない。

韓国自動車研究院のイム・ヒョンジン先任研究員がトヨタ、BMW、吉利(Geely)、フォルクスワーゲンの4社の投資内容を分析した結果、自動運転部門の投資割合は2019年49.3%から2020年15.7%、2021年14.6%、2022年1.3%に急落した。イム研究員は「各完成車メーカーは電気自動車市場シェア拡大のためにポートフォリオを修正した」と分析した。【news1 イ・ヒョンジン記者】

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