【11月30日 AFP】英誌エコノミスト(The Economist)は30日、今年の「世界で最も生活費が高い都市ランキング」で、スイス・チューリヒとシンガポールが同率1位になったと発表した。

 昨年はニューヨークとシンガポールが同率1位だった。今年の3位はジュネーブとニューヨーク、次いで香港とロサンゼルスとなっている。

 調査では、主要173都市の200の製品・サービスの価格を比較した。

 この結果、173都市の製品・サービスの価格は前年に比べ平均で7.4%上昇した。2022年は8.1%だった。

 調査を率いたウパサナ・ダット(Upasana Dutt)氏は「生活費危機は今だ終わりが見えない。価格水準は依然として歴史的なトレンドをはるかに上回ったままとなっている」と指摘した。

 ただ、各国の中央銀行がインフレ抑制のため金利を引き上げたことから、「2024年にはインフレ率はさらに減速する」との見方を示した。

 欧州からは4都市がトップ10に入った。食品と衣類の値上がりが続いていることに加え、ユーロが対ドルで上昇し続けていることが一因だという。

 調査では、価格をドルに換算し比較する。このためユーロ高が進むと、欧州諸国の物の値段は上がる。

 最も生活費が安い街はシリアの首都ダマスカスで、2位はイランの首都テヘランだった。(c)AFP