【11月29日 AFP】イスラム組織ハマス(Hamas)に解放されたフランス系イスラエル人の少年(12)のおばが28日、フランスのテレビ番組で、少年は人質になっていた間、パレスチナ人の民間人に殴られたり、ハマスの戦闘員に武器で脅されたりするなどの「恐怖」を味わっていたと明らかにした。

 戦闘休止合意に基づき、ハマスは人質計50人を解放。イスラエルは引き換えに、収監していたパレスチナ人約150人を釈放した。

 ハマスに拉致されていたエイタン・ヤハロミ君は27日、2人のフランス系イスラエル人と共に解放された。おばのデボラ・コーヘンさんは仏BFMテレビのニュース番組で、エイタン君は「恐怖を体験した」と語った。

 コーヘンさんはエイタン君の母親から聞いた話だとして、「おいは(パレスチナ自治区)ガザ地区(Gaza Strip)に着くと、民間人に殴られた。12歳の子どもなのに」と語った。

 拘束されている間は、ハマスによって10月7日にイスラエルを越境攻撃した際の残虐行為の動画を「強制的に見せられ」、「泣くと、そのたびに武器で脅して黙らされた」という。

「エイタンがちゃんとした扱いを受けていると信じたかったが、どうやら違うようだ。彼らはモンスターだ」と続けている。

 エイタン君が解放されたことについて、「昨日は大喜びしていた」「だが、こういうことを知ってからは不安だ。彼の父親はまだ人質になっている」と説明。

「あんな経験をして、人はどうやって立ち直れるのか。道のりは長い」

 エイタン君は「おとなしい子で、感情を表すまでに時間がかかる」という。(c)AFP