中古ブランドビジネスが活発化 中国
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【11月29日 東方新報】中国の中古ブランド市場は、新型コロナウイルス感染症パンデミックの影響が落ち着き、中間所得層の購買力も徐々に回復していることから、ここ最近目覚ましい成長を遂げている。
中国の中古ブランド市場は、取引可能な全商品の潜在価値が3兆元(約62兆1087億円)を超えるほどの規模に成長していると、市場調査会社・要客研究院(Yaok Institute)は指摘した。
しかし、2022年の実際の売上高と2023年の推定売上高はすぐには明らかにならなかった。ハンドバッグ、衣料品、履物、時計、宝石、ワインなどは、中国の中古ブランド品消費者に人気のある商品カテゴリーである、と市場関係者は述べている。
中国国家出入境検験検疫協会は、「電子商取引(EC)の急成長は市場に拍車をかけており、その取引は世界標準に向上する必要がある」と述べた。
「継続的な消費のアップグレードを考えると、市場のさらなる発展のために、より多くの専門的な人材を育成し、大学や研究機関との協力を強化する必要がある」と同協会の王新(Wang Xin)会長は述べた。
中国の中古ブランド市場では、若い女性消費者が主力となっている。高級ハンドバッグは最も活発なカテゴリーであり、衣料品と履物も売上が急速に伸びると予想されている。しかし、男性消費者と40歳以上の消費力も過小評価できないと、北京市の対外経済貿易大学(University of International Business and Economics)が実施した新しい調査に基づく報告書は述べている。
国内初のラグジュアリー品管理の学術研究・人材育成機関である対外経済貿易大学のラグジュアリー品研究センター(UIBE・Luxury China)の張孟霞主任は次のように語る。「上位八つの高級ブランドの取引量は、中古ブランドの総取引量の約80パーセントを占め、ニッチなブランドの人気も高まっている。中国の消費者は多様で特殊なファッション需要を持っているため、高級品のユニークなデザインは中古高級品消費をけん引するだろう」
中国の中古ブランド市場は大きな規模を誇っているが、流通率は欧米や日本などの先進国市場に比べるとまだ低いと張氏は指摘する。
米コンサルティング会社ベイン・アンド・カンパニー(Bain & Company)によると、今年の世界の高級品市場は1兆5000億ユーロ(約243兆円)に達し、2022年比で8~10パーセント成長すると予測されており、社会的交流や旅行の復活に後押しされ、業界の新記録となる可能性が高い。
2025年までに、中国は世界最大の贅沢品消費市場になると予想されている。中国本土は第1四半期に好調な業績を記録したと、同コンサルタント会社は述べている。
さらにベイン・アンド・カンパニーは、海南島は2025年までに島全体を免税対象にすることを計画しており、明るいラグジュアリーリテールの中心地として成長する準備が整っていると述べた。
専門家は、中古品市場にもブランド品の力強い成長が波及すると予想している。国際的に、高級ブランドは中古品市場への関心を高めており、独自の中古品取引プラットフォームを立ち上げる企業もある。
ラグジュアリー品研究センターの張主任は、この分野の健全な発展には、真正性と消費者の信頼が不可欠であると述べた。
元商務部の張志剛(Zhang Zhigang)副部長は、ますます活発化する中古品市場は、中国の循環型経済とグリーン開発を促進し、中国のデュアルカーボン目標の達成を促進することが期待されると語った。(c)東方新報/AFPBB News