【11月30日 Xinhua News】中国で浪費を控える風潮や低炭素社会への取り組みが広がる中、中古品取引が勢いを増している。

 中古品取引サイトを運営する転転集団によると、今年のネット通販セール「双11(ダブルイレブン)」では、ピークの11月10日午後8時〜13日午前0時の取引件数が前年同期比69%増、利用者数は48%増だった。商品別では、スマートフォンが46%増だったほか、高級ブランド品が8・1倍、子ども向けの本が6・5倍、小説などの書籍が3・2倍と大きく伸びた。

 高級ブランドの中古品を扱う「紅布林」ではダブルイレブン期間中、委託販売と買い取りをした商品の数が81%増えた。1人当たりの購入単価は20%増。利用者のうち7割が商品を売るだけでなく、購入もしていた。

 会社員の30代男性、付(ふ)さんは、個人間で不用品を取引するフリーマーケット(フリマ)アプリ「閑魚」を3年前から利用している。使わなくなった家庭用ゲーム機「PS(プレイステーション)4」や「ニンテンドースイッチ」のゲームカード、パソコンのディスプレーなどを売った一方、腕時計と動画撮影時の手ぶれを防ぐジンバルを買った。この3年で不用品を売って得た金額は9千元(1元=約21円)以上に上るという。

 同じ小区(居住区)の人たちと通信アプリ「微信(ウィーチャット)」のグループ機能を利用して、不用品を直接売買する動きも活発化している。特に多く取引されているのが、おもちゃや絵本、家具、フィットネス器具。直接会って取引できる利便性と安心感から人気が高く、掲示板に投稿した途端に売り手が付くことが多い。頻繁に利用するという北京在住の王(おう)さんは、使わなくなった物を売れば家の中がすっきりし、お金も入る上、子どもの新しいおもちゃも安く手に入るため、出費も節約できると語った。

 社会の環境保護意識が高まる中、中古品など理性的な買い物をする消費者が増えている。清華大学エネルギー環境経済研究所などが発表した「中国の中古品取引による二酸化炭素(CO2)排出削減報告(2021)」によると、2015年に約3千億元だった中国の中古品の取引規模は20年に1兆元を超えている。(c)Xinhua News/AFPBB News