【11月28日 AFP】アフリカ南部マラウイの労働省は27日、同国の青年221人が労働力不足に陥ったイスラエルの農場で働くため、25日に出国したと発表した。近いうちに第2陣も予定しているという。

 パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)を実効支配するイスラム組織ハマス(Hamas)による10月7日の奇襲後、外国人労働者の多くが帰国し、パレスチナ人の就業許可が取り消されたため、イスラエルの農場では数万人の人手が不足している。

 マラウイのウェジ・カイラ(Wezi Kayira)労相は、イスラエルが、若者への仕事あっせんと外貨獲得を目的とする政府の労働力輸出プログラムの対象国になっていると説明。若者が働くのは、政府が「適切で安全」と認めた環境だと強調した。

 イスラエルは2週間前、経済危機に見舞われているマラウイに6000万ドル(約90億円)規模の支援を決めている。

 今回の労働力輸出についての合意をめぐっては、複数の人権団体が透明性に欠けていると批判しており、詳細を公表するよう求めている。

 野党党首は先週、合意は「邪悪な取引」であり、「まともな親は紛争状態にある国に子どもを送り出さない」と非難した。

 他のアフリカ諸国がイスラエルによるパレスチナ人に対する人権侵害を問題視する中、マラウイは近年、イスラエルと緊密な関係を築いている。2021年には係争地エルサレム(Jerusalem)に在イスラエル大使館を開設すると発表した。(c)AFP