【11月24日 AFP】ロシアの政権寄りの左派系政党「公正ロシア・正義のために」の党首を務めるセルゲイ・ミロノフ(Sergei Mironov)下院議員(70)が24日、ウクライナの孤児院から連れ去った2歳の女児を養子にしたとする報道を否定した。

 英BBCはロシアとウクライナ双方の文書を引用し、ミロノフ氏が昨年、ウクライナ南部へルソン(Kherson)市の孤児院から強制連行した女児を養子にしたと報じた。

 BBCによると、ミロノフ氏と現在結婚している女性が昨年引き取った女児の養子縁組の記録にミロノフ氏の名があった。女児の元の名前はマルガリータだったが、ロシアに連れ去られた後、養子にされ改名されたという。

 これに対し、ミロノフ氏は詳細に触れることなく、「ウクライナの特務部隊とそれを支援する西側諸国が放ったヒステリックなフェイク」だと報道を強く否定。「信用失墜」を狙った「情報戦」だと主張した。

 かつて10年以上にわたって上院議長を務めたミロノフ氏は、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領の忠実な支持者として知られる。ウクライナ侵攻も固く支持しており、プーチン氏から勲章を授与されたこともある。

 女児は、ロシア軍がヘルソン市を一時占領した時、孤児院から連れ去られた子ども48人の一人。

 ウクライナの検事総長室は23日、48人のうち返還されたのは一人だけだと述べた。ヘルソン市の孤児院からの「子ども48人の違法な連れ去り」について捜査を進めており、これまでに容疑者3人を特定したとしている。(c)AFP