【11月22日 AFP】スウェーデンは21日、難民・移民を強制退去する要件を新たに導入するため、現行法を見直す計画を発表した。要件とされる「不品行」の例として、薬物乱用や犯罪組織への関与、スウェーデンの価値観を脅かす思想表明を挙げている。

 マリア・マルメルステーネルガルド(Maria Malmer Stenergard)移民相は極右・スウェーデン民主党との記者会見で、「移民の社会統合を成功させる必要条件は、移住希望者にも基本的規範を守ってもらい、誠実かつ品行方正に暮らしてもらうことだ」と述べた。

 パウリーナ・ブランドベリ(Paulina Brandberg)ジェンダー平等相は記者団に対し、現行法に移民の在留資格の取り消しを認める根拠があるか確認するとした上で、「不品行」と認定され得る例として、給付金の不正受給、借金、不正、薬物乱用、犯罪組織や「スウェーデンの基本的価値観を脅かす」暴力的な過激派組織への関与などを挙げた。

 さらに、「スウェーデンの民主主義的な基本的価値観を著しく脅かす思想表明を含めるのは可能で適切かどうか」も検討すると説明。

「スウェーデンが支持する民主主義的な価値観にそぐわないものを望むか、積極的に反対するなら、この国から出て行ってもらうしかない」と述べた。

 人権団体は今のところコメントを発表していない。

 スウェーデンは1990年代以降、主に旧ユーゴスラビアやシリア、アフガニスタン、ソマリア、イラン、イラクなどの紛争地帯から多数の移民を受け入れている。(c)AFP