【11⽉20⽇ Peopleʼs Daily】中国政府・自然資源部が組織した中国の第40次南極観測隊が1日に上海市を出港した。帰還予定は5か月余り先の2024年4月だ。

 中国は今回の南極行きで、南極に5か所目の観測拠点を設置する。場所はロス海(Ross Sea)沿岸だ。常駐ステーションとしては3か所目で、太平洋に面した初めての観測拠点でもある。

 ロス海は最南部が南緯78度で、南極点に最も近くまで延びる海だ。その独特な地理状況により、ロス海沿岸部に観測拠点を設置すれば他の場所では得られない情報を入手することができ、中国の南極における既存の観測拠点の配備を補完することができる。

 ロス海エリアが南極海全体の海氷の重要な発生場所であることも重要だ。さらに同エリアは南極海の底層水の重要な起源の場所でもあり、岩石圏、雪氷圏、生物圏、大気圏など地球の大きな圏層が相互作用する特徴がある。ロス海エリアの観測と理解は南極の変化と世界全体の変化の連動など、重要な科学テーマを探ることに役立つと考えられている。

 新たな科学観測拠点の建設は、中国が「南極条約(Antarctic Treaty)」体系に関する責任と義務を積極的に履行していることの表れでもある。国家海洋局極地観測弁公室の竜威(Long Wei)副主任によると、中国は関係国と共にインエクスプレッシブル島南極特別保護区の管理を行い、ロス海海洋保護区の生態調査を実施し、南極の生態環境の保護に貢献する。中国は新たな観測拠点を利用することで、周辺にある他国の観測拠点と、南極の科学観測および維持についての国際協力を展開する。さらには、人類の南極の平和利用に向け新たなより大きな貢献に努めていく。

 中国の新たな南極科学観測ステーションの建築面積は5244平方メートルで、夏は80人、越冬期は30人を収容できる見込みだ。そして、その建設でも「グリーン観測」の理念が貫かれる。まず、施設全体を統一して設計し、使用する部材を中国国内で事前に製造する。このことで、省エネ、節水、資源節約、環境保護を実現する。南極の現場環境に混乱をもたらすエリアの面積を減らし、仮設施設と現場施工者の数を減らし、施工活動範囲を極小化する計画だ。

 中国第40次南極観測隊の張北辰(Zhang Beichen)隊長によると、今回の南極行きでは、新たな拠点の建設以外に、気候変動が南極の生態系に与える影響とその影響による派生効果を調査し、世界の気候環境の変化における南極の役割を掘り下げて研究する。

 また、今回の調査の重要な側面の一つは、南極科学の最先端分野で国際協力を実施することだ。すなわちノルウェーやオーストラリアなど多くの国と協力してエンダービーランド地域で航空調査を実施して、南極の氷床接地地帯の重要データの空白部分を埋め、氷・海・岩盤の相互作用を探究し、氷床物質のバランスについての正確な評価と不安定性についての研究を進める。また、多くの国と後方支援面での国際協力も実施する。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News