【11月20日 AFP】イスラエル軍は19日、イスラム組織ハマス(Hamas)が、パレスチナ自治区ガザ(Gaza Strip)のシファ(Al-Shifa)病院に人質を連れ込む様子を捉えたとする映像を公開した。イスラエル軍は、ハマスによる奇襲があった10月7日に撮影された映像と主張している。

 イスラエル軍はハマスがシファ病院を拠点としていると繰り返し主張し、軍事作戦を展開している。ただ、この主張をめぐっては、イスラエル軍が十分な証拠を示すことができていないとの見方が強い。

 一方のハマスとガザの医療関係者らは、病院の地下に司令部があるとのイスラエル側の主張を否定している。

 10月7日午前10時53分と表示された映像は、玄関ホールとみられる場所で、ショーツと淡い青色のシャツを着た男性が5人の男に連行されている様子を捉えたものとされる。5人のうち3人は武装している。

 午前10時55分と表示された別の映像には、負傷した下着姿の男性が、7人の男によって担架で運び込まれる様子が捉えられている。少なくとも4人が武装しており、その様子を見守る医療従事者の姿も確認できる。

 AFPは、これらの映像をまだ検証できていない。

 イスラエル軍のダニエル・ハガリ(Daniel Hagari)報道官は映像中の2人について、ネパールとタイの人質だと説明。「ハマスが人質を捕らえ、院内に連行する様子が確認できる」と主張した。2人の所在については不明と述べた。

 イスラエルの軍と情報機関は声明で、「映像はテロ組織のハマスが奇襲攻撃を行った日にシファ病院を拠点として使用したことを示す証拠だ」と述べた。

 ハマス側はイスラエルの主張を否定。ハマス幹部は、負傷した複数の人質を病院に搬送したとする以前からの主張を繰り返した。負傷の原因については「イスラエルによる空爆で」と強調している。

 またイスラエル軍は同日、病院の地下10メートルの場所で発見したとする長さ55メートルのトンネルの映像も公開している。(c)AFP