【11月16日 AFP】インドネシア・スマトラ(Sumatra)島北端のアチェ(Aceh)州沿岸に15日、ミャンマーのイスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)の難民147人が漂着した。周辺では前日にも約200人のロヒンギャ難民が上陸している。

 現地当局によると、難民を乗せた木造船は15日午後5時(日本時間同午後7時)すぎ、アチェ州ピディ(Pidie)県の浜辺に到着した。船には「男性46人、女性57人、子ども44人、計147人のロヒンギャ難民」が乗っていた。

 大半がイスラム教徒のロヒンギャはミャンマーで迫害されており、毎年数千人がイスラム教国のマレーシアやインドネシアを目指し、長く危険な船旅に出る。またミャンマーの隣国バングラデシュの難民キャンプから脱出しようとするロヒンギャもいる。

 AFPの取材に応じた地元の漁業関係者によると、一部の漁師はロヒンギャの乗ったボートを岸から遠ざけようとした。「ロヒンギャ難民にうんざりしている漁師もいる。昨日もそう遠くない場所に上陸した」。ボートから降りたロヒンギャ難民の中には、飢えた状態の子どもや病人もいたという。

 前日ピディ県に漂着した196人と合わせ、アチェ州に過去48時間以内に上陸したロヒンギャ難民は計343人となった。

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、昨年は推計2000人以上のロヒンギャが、危険な海路で東南アジア諸国への上陸を試みた。うち200人近くが死亡したか、行方不明になったとみられる。(c)AFP