【11月16日 AFP】イスラエルの前首相で野党指導者のヤイル・ラピド(Yair Lapid)氏が15日、ベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相に対し、イスラム組織ハマス(Hamas)との紛争終結を待たずに「即時」退陣するよう要求した。

 ラピド氏は現地ニュース専門局N12のインタビューで、「ネタニヤフ氏は即刻辞任すべきだ。われわれには変化が必要であり、(そのためには)ネタニヤフ氏が首相であり続けることはできない」と述べた。また「国民の信頼を失った首相の下で、長い軍事作戦を遂行することは許されない」とも語った。

 パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)を実効支配するハマスは先月7日、イスラエルを奇襲。その4日後、ネタニヤフ首相と中道右派の野党指導者ベニー・ガンツ(Benny Gantz)前国防相は、紛争下における「挙国一致内閣」の発足で合意したと発表した。

 一方、ラピド氏は挙国一致内閣には参加しないと述べ、ハマスの襲撃を防げなかった指導者らの失敗は許しがたいと非難した。

 ただイスラエルメディアによれば、昨年の総選挙でネタニヤフ氏が政権に返り咲くまで首相だったラピド氏は、今回の紛争が起こって以降、これまでは首相に辞任を要求したことはなかった。

 ラピド氏はN12とのインタビューで、早期の総選挙ではなく、ネタニヤフ氏が率いる右派与党リクードの党首交代による新政権発足につながる議会の不信任投票を提案。「今は選挙をやっているときではない。リクードの別の首相による国家再建を選ぶべきだ」と述べた。

 リクードは即座に反発。テレグラムへの投稿で「戦時下」におけるこうした提起は「恥ずべきもの」だと非難した。(c)AFP