ソウル中央地検(c)news1
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【11月16日 KOREA WAVE】専業主婦による車の運転は「業務」とは見なされない――そんな判決が韓国で議論を呼んでいる。業務妨害罪を構成する「業務」の範囲を拡大した場合、処罰対象が過剰に増えてしまう恐れがある。しかし、家事労働の重要性が大きくなったことを受け、裁判所が別の判断を下すべき時期が来たという見方が法曹界から出ている。

A氏は今年4月、駐車場のスペースをめぐり、B氏と争っていたが、B氏の車が出られないように自分の車で遮って車から離れた。A氏は約1時間にわたりB氏の車の運行を妨害した「業務妨害」疑惑で裁判に付されたが、ソウル中央地裁は最近、A氏に対して無罪を宣告した。容疑を適用するためには、A氏の行動でB氏の運転、すなわち「業務」を妨害したという点が認められなければならないが、裁判所がこれを認めなかったのだ。

最高裁は、刑法で定めた業務妨害罪の業務を「職業または社会生活上の地位に基づいて継続的に従事する事務または事業」と定義する。B氏は他に職業のない専業主婦で、当時子どもを通学させるために自動車を運転していたという。裁判所は、専業主婦の運転を社会生活上の地位による業務ではなく、個人生活上の行為として車両を運転していたと判断した。

最高裁は2017年の類似事件で「(被害者は)主婦として個人的な用事で車を運転した後、駐車場に駐車した」とし、業務妨害を認めた原審を覆し、無罪趣旨で事件を下級審に差し戻している。

検察は、専業主婦も家事一切を社会生活上の地位に基づいて遂行しており、専業主婦の運転も業務と見ることができると主張した。検察は、同じ行為に対して「職業があるかどうかで、有罪か無罪を判断をすることは合理的ではない」として控訴した。

◇高まる「専業主婦の役割」に対する認識

弁護士の間でも「業務妨害」の判断をめぐり意見が分かれている。法務法人LKB&パートナーズのヤン・テヨン弁護士は「裁判所が、業務妨害罪による業務の定義を個人的な領域にを含めてしまうと、業務妨害罪で処罰できる範囲はあまりに広くなる」と指摘。「家事労働の重要性は高いが、個人的な活動領域と見るべきだろう」と語った。

半面、検察の控訴理由のように家事労働に対する社会的視線が変わっており、専業主婦の社会的地位を考慮する必要があるとの主張もある。法務法人大陸アジュのチェ・ウォンヒョク弁護士は「家庭生活において家事を専ら担当する専業主婦の影響力が高まり、裁判所が離婚時の財産分割事件で、専業主婦の寄与度を拡張して認める傾向がある」とした。さらに「家庭内における専業主婦の役割に対する認識が高まり、社会生活上の地位を見直す必要もある」と語った。

光州(クァンジュ)広域市が全国地方自治体で初めて清掃・洗濯・飲食準備のような家事労働に対し、「家事手当て」導入を推進するのも同じ流れだ。家事労働が家族と社会を維持し、再生産するために必須であり、社会的価値を創出していると見ている。

ある法曹界関係者は「家事労働を業務に含ませることが正しいか否かに正解があるわけではない。社会が大きく変化しているので、公の議論によりもう一度基準を作る必要があるのではないか」と語った。

(c)MONEYTODAY/KOREA WAVE/AFPBB News