【11月14日 AFP】パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)最大のシファ(Al-Shifa)病院に多数の民間人が取り残される中でイスラエル軍によるハマス(Hamas)掃討作戦が続いているのを受け、ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領は13日、イスラエルに対し、同病院の「保護」を求めた。

 シファ病院内の人々によれば、周辺はイスラエル軍の激しい空爆を受けており、病院の門からわずか数メートル先に戦車や装甲車が止められている。イスラエルは、同病院の地下にハマスの主要拠点があると主張。ハマスはこれを否定している。

 国境なき医師団(MSF)の医師の一人は、「非人間的な状況だ」「病院には電気も水もない」とSNSで発信した。

 こうした状況を受け、バイデン氏はホワイトハウス(White House)での記者会見で、イスラエル側に懸念を伝えたかとの質問に対し、病院を巻き添えにしてはならず、「保護しなければならない」と答えた。

 シファ病院は先週末から燃料不足に陥っており、ガザのユセフ・アブリシ(Yussef Abu Rish)保健副大臣によれば、これまでに乳児7人、集中治療室にいた成人患者27人が死亡している。

 世界保健機関(WHO)はこの日、シファ病院には患者や医療従事者、避難民など少なくとも2300人が残っていると発表した。

 一方、イスラエル軍の報道官はAFPに、戦闘地域には「シファ病院周辺も含まれるが、病院自体は含まれていない」と説明した。

 軍は、地上部隊の兵士が「緊急医療用」に300リットルの燃料を病院付近に届けたが、ハマスが病院側に渡るのを妨害していると主張している。

 これに対しシファ病院のムハンマド・アブサルミヤ(Mohammad Abu Salmiya)院長は、主要な発電機を稼働させ、「何百人もの患者と負傷者を救うには少なくとも8000リットルの燃料が必要」とイスラエル当局に伝えたが、拒否されたと語っている。

 AFPは、双方の主張について独自に検証できていない。(c)AFP/Adel Zaanoun with Sarah Benhaida in Jerusalem