【11月13日 AFP】パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)のユセフ・アブ・リシ(Yussef Abu Rish)保健副大臣は12日、ガザ最大のシファ(Al-Shifa)病院が燃料不足に陥っており、これまでに乳児5人と重症患者7人が死亡したと発表した。また、別のガザ当局者は、2か所の小児病院が「強制退去」の対象となり、患者が「路上に放置されている」と明らかにした。

 イスラエル軍は病院への意図的な攻撃を否定する一方、ガザを実効支配するイスラム組織ハマス(Hamas)が、病院やその地下にあるトンネルを潜伏先として利用していると主張している。ハマス側はこれを否定している。

 シファ病院にいた人々は12日、AFPの電話取材に対し、病院周辺で「激しい戦闘」が一晩中続いたと語った。

 同病院の医師は11日、電力供給が途絶えたため保育器の乳児2人が死亡し、人工呼吸器の停止で男性1人が死亡したと発表。リシ氏はこの日、さらに3人の乳児と6人の重体患者の死亡を明らかにした。

 世界保健機関(WHO)は、シファ病院をはじめ、ガザの36病院のうち約20か所がもはや機能していないとしている。

 一方、イスラエル軍のダニエル・ハガリ(Daniel Hagari)報道官はこの日、病院側に必要な燃料が渡るのをハマスが妨害していると主張。これに対し、シファ病院のムハンマド・アブサルミヤ(Mohammad Abu Salmiya)院長は記者団に、イスラエル側の主張は「うそ」だとし、軍が届けたとする300リットルの燃料では、受け取ったところで発電機は「25分」も稼働しないと語った。

 パレスチナ自治区の病院事業を統括するムハンマド・ザクト(Mohammed Zaqut)氏は記者団に、「ナスル(Al-Nasr)小児病院とランティシ(Rantisi)小児病院が強制退去対象となり、ガザ市内の路上に病人が放置され、治療を受けられずにいる」と述べた。いずれの病院の医療従事者とも「連絡が完全に途絶えている」という。

 イスラエル軍はこの日、これらの病院からの「避難を可能にした」と発表していた。

 シファ病院では、病院付近や中庭に数十人の遺体が放置されている。同病院の救急車の運転手はAFPの電話取材で、救急車で遺体を収容しようとしたところ、狙撃されたと語った。

 ザクト氏は「埋葬を要請したが、シファ病院の中庭に出たら撃たれてしまう」と話した。その上で、確認が取れないため、保健当局は死傷者について「もはや公表できない」と述べた。

 映像前半はシファ病院と、ガザ地区北部にあるインドネシア(Indonesian)病院の内部、10日撮影。後半はザクト氏の会見、12日撮影。(c)AFP