【11月12日 AFP】ロシア産天然ガスをドイツに送る海底パイプライン「ノルドストリーム(Nord Stream)」が昨年9月に爆破された事件について、米紙ワシントン・ポストと独誌シュピーゲルは合同調査の結果、ウクライナ軍将校が主要な役割を果たしていたと報じた。

 11日付の両紙誌によれば、この将校はウクライナ特殊作戦軍のロマン・チェルビンスキー(Roman Chervinsky)大佐。同国内および欧州の当局者や消息筋によると、大佐は破壊作戦の「コーディネーター(調整役)」を果たしていた。

 ワシントン・ポストは大佐の役割について、後方支援および作戦実行要員6人の監督だったと指摘。実行部隊は偽名でボートを借り、潜水具を使ってパイプラインに爆発装置を設置した。作戦は大佐単独によるものではなく、ウクライナ当局の指示に基づくものとしている。

 大佐は現在、別件で職権乱用の疑いで逮捕され、キーウで公判中。弁護士を通じて両紙誌に、「ノルドストリーム破壊に私が関与したとの臆測はロシアのプロパガンダによって広められたものであり、事実無根だ」とのコメントを寄せた。

 訴追されていることについては、ウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領を批判したことへの政治的な報復だと主張しているという。

 ワシントン・ポストは、ノルドストリーム破壊作戦はゼレンスキー氏には伏せて立案されたとしている。(c)AFP