【11月11日 AFP】フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は10日、イスラエルがパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)の民間人を攻撃して多数の死者が出ている事態について、「正当性」はなく、「禍根」を残すだけだとして、停止するよう強く求めた。

 マクロン氏はパリで行われた国際平和フォーラムの傍らで行われた英BBCのインタビューで、10月7日にパレスチナのイスラム組織ハマス(Hamas)の攻撃を受けたイスラエルの自衛権を認める一方、「乳児や女性、高齢者が爆撃を受け、殺害されている」「理由も正当性もない。イスラエルに対し停止するよう強く求める」と表明した。

 マクロン氏は、10月7日のハマスによる前例のない越境攻撃について「(フランスは)明確に非難する」とも述べた。イスラエル当局によると、この攻撃で民間人を中心に1200人が死亡、240人が拉致された。イスラエルは報復としてガザを空陸から攻撃。ハマスが実効支配するガザの保健当局によれば、こちらも民間人を中心に1万1000人以上が死亡した。

 マクロン氏は「われわれは(イスラエルの)痛みを確かに共有している。テロを根絶したいという思いも間違いなく共有している」「フランスでテロリズムが何を意味するかも知っている」と述べる一方、それでも民間人に対する攻撃に「正当性はない」と強調。

「すべての命が重要だと認識」するのは「われわれ皆にとって極めて重要だ。われわれの原則だから、われわれは民主主義国だからだ」とし、「中長期的にも、イスラエルの安全保障にとっても重要だ」と訴えた。

 イスラエルは国際法に違反しているかとの質問に対しては、「私は裁判官ではない。国家元首だ」と回答。国家元首としてはイスラエルと「パートナーや友人」でありたいとの考えを示した。

 さらに、イスラエルが自国を守る最善手は「ガザへの大規模空爆」という考えには同意できないとした上で、こうした考えは中東に「禍根と反感」を残すだけだと述べた。(c)AFP